第4話 優衣のキモチ
《藍沢 優衣》
私と悠斗は教室に向かっていた。
悠斗は美咲が好き。
そんなのは見ていればわかる。
でも、美咲は気づいていない。
教室に着くと一斉に皆がこっちを向いた。
「あれ?美咲さんは?」
「姫百合さんの姿がない…」
「優衣~美咲さんは?」
「おぃ、真神。姫百合さんはどこに…」
私が答えようとすると
「謎の少年Sに連れていかれました。」
と、悠斗が答えた。
美咲の言ったとおりに言ってるし…
「マジで?!何そいつ!ムカつくー」
「美咲さ~ん。無事ですかぁ」
皆の反応が…
面白すぎ。
美咲は人気者。
悠斗が好きになる気持ちもわかる。
私たちは適当に話を流しながら席を確認しに行った。
「俺、窓際後ろから二番目。優衣は?」
「えぇ…ッと……あ、悠斗の前だよ」
「マジで!ラッキー」
本当は美咲の近くが良かったんだろうな…
そんなことを考えながら美咲の席を確認した。
えっと…美咲は、
窓際一番後ろ。
「悠斗~。美咲、悠斗の後ろだよ~」
「マジで?!やった…じゃなくて、アイツ五月蠅いからイヤだな…」
照れてる…
かぁわいぃぃ
「ほんとは嬉しいくせにぃ」
「な…!べ…別に嬉しくなんか…」
喜んでることだし内緒にしておこう。
爽浪潤くん、彼も同じクラス。
そして、美咲の隣の席だったことは…。
優衣ちゃんいい子。