93話
ブルーサラマンダーが痺れを切らしロイドを喰おうと大きな口を広げ襲い掛かる。
そのタイミングに合わせ一歩下がり空を噛ませ反撃に出ようと剣を振るうが鼻先で小突き返され両者は、目が合う。互いに映る己の姿。
ロイドが作った僅かな死角をシリウスは、逃さなかった。シリウスは、ブルーサラマンダーの死角から左眼を狙いレイピアで強烈な突き放つ。
死角から放たれた一撃に対処が遅れ左眼を突かれてしまう。
ブルーサラマンダーの悲鳴が部屋内に響き渡る。
「よし。ようやく一撃通った。」
左眼を失ったブルーサラマンダーは、シリウスに怒りを向け火球を放とうと口を大きく開いた瞬間。
モニカ様は、ブルーサラマンダーの大きく開いた口内を狙い氷の矢を放つ。
火球を生成したタイミングで氷の矢は命中し爆発する。
爆発によって口は爛れ閉じることも開くことも出来ないブルーサラマンダーは、気づく。己よりも弱い生物が己の命を脅かす者たちでは、ないと思っていた。
それが今、彼らは、己の命を脅かす存在だと認めるしかなかった。
だが気づいた時には、遅かった。
「次は、確実に仕留めます。」
モニカ様は、先ほど放った氷の矢以外に仕留めるために巨大な氷の矢を生成している。
ブルーサラマンダーは、己がモニカ様によって仕留められることを悟った。
己が生き残るためには、モニカ様を一撃で確実に倒すしかない。だがモニカ様の横には、左前脚を一撃で切り落とした俺がいる。
ブルーサラマンダーの選択肢は一つ。
モニカ様を倒すためには、シリウスたちを倒すしかない。
ブルーサラマンダーは、決断しシリウスたちを尾で吹き飛ばそうと動く。
「来るぞ! 各自、回避!」
シリウスは、ブルーサラマンダーの動きに注意していた。的確な指示。手負のブルーサラマンダーの動きは、単調になっていた。
その動きに対処し皆、回避することが出来た。
ブルーサラマンダーは、指揮官であるシリウスに的を絞り全力でシリウスに覆い被さろうと飛び掛かる。
シャルル様は、シリウスの前に立ち盾を構え衝撃に備える。
その重さを物語るようにシャルル様の踵が地面を抉りシャルル様は、ブルーサラマンダーの熱量で盾は、熱を帯び腕を焼く。
「シャルル!」
「大丈夫、で、す。」
シャルル様は、全力でブルーサラマンダーを右へと逸らしブルーサラマンダーの態勢を崩す。
「どうですか! 私だってやる時は、やるんですよ! だからもう少し出番をください!」
「な、何言ってるんだ! シャルル!」
そんな茶番をしているシリウスたちを見てブルーサラマンダーは、怒りの炎の火力をさらに上げ、周囲を火の海と化す。




