9話
俺たちは、宝具神殿の出入り口に着く。「ついたついた」と減速も無しで急ブレーキをかけると物理法則に従ってリアが吹っ飛んでしまった。
あ、やべえ。減速するの忘れてた。
「ギャー。ぶつかる。」
咄嗟にリアは持っていた短剣を強く握ると壁にぶつかる寸前で影の中へと入り難を逃れた。
俺は、胸を撫で下ろす。
「ルクス様!!」
リアの怒鳴り声が真下から聞こえ避けるとリアがイルカがジャンプするように出てきた。鬼のような形相で迫ってくる。
「ルクス様!!そこに正座!」
「は、はい!」
すごい剣幕で言われ素直に従った。言い訳を言う前にお説教タイムが始まってしまった。
怖い目に遭わされた恨みからかリアの説教は、30分ぐらい続いた。その間ずっと正座で足の感覚がない。これしばらく立てないよ。
痺れる足に鞭打って立ち上がる。子鹿のように震える足を見てリアは、笑いを堪えている。このまま、リアをここに置き去りにしようかなぁと思いつつもため息をつく。
「リアさん。帰るよ。」
「・・・それはこっちのセリフです。」
その通りだと思いながらリアと夕飯の話をしながら仲良く手を握りながら宝具神殿を出る。
目を瞑りたくなるほど夕日は眩しい。
徐々に目が慣れ周りの風景がよく見えるようになると夕日に照らされる人影が見てる。それも複数人。どれもこれも見覚えのあるシルエットだ。特に見覚えのあるシルエットから途轍もなく怒りがこもった視線を感じる。
冷や汗が自然と出てくる。身体に染みついた恐怖。身体は震え自然とリアの後ろに隠れてしまう。
「ルクス様、どうされたのですか?さっきまでの勇敢なお姿が台無しですよ」
ガタガタと震える俺を見るリアのざまぁという表情が非常にムカつくがリアには、盾になってもらう。
リアを盾にしながらゆっくりと覗いてみる。夕日を背にこちらへと向かってくる女性のシルエットは、まさしくその姿は、鬼神だ。




