89話
勝ちを確信したリザードマンは、シリウスに嘲笑する。
シリウスは、ニヤリと笑った瞬間。
青い血が飛び散る。
リザードマンは、悲痛の叫びを上げる。
リザードマンは、右腕を誰かによって斬られていた。その傷は、深く骨まで見えていた。右腕を抑え振り返るとそこには、シャルルが立っていた。
「シリウス様。ロイド君、モニカの詠唱がまもなく終わります! 下がってください!」
「了解!」
「わ、わかりました」
シリウスは、立ち上がると同時にモニカの方へと走り出す。シャルルは、盾を構えてゆっくりと下がっていく。
ロイドは、リザードマンの猛攻を掻い潜りモニカの後ろへと素早く移動した。
杖を天高く掲げているモニカの周囲には、炎の槍が4本、宙に形成されていた。
「お兄様。ロイド君。お待たせしました。では、リザードマンさん方。私の炎をご賞味あれ」
撃ち出される炎の槍は、リザードマンたちの盾を溶かしリザードマンたちを貫き灰となった。
四人は、勝利のハイタッチをする。
ルクスは、賞賛の拍手を送る。
「ふん! どうだ! 俺たちは強いだろ?」
ドヤ顔をするシリウスたち。
「良かったと思いますよ。 ですがもう少し早く倒しましょう」
「・・・つまりまだまだ、だと言うのだな」
「まあ。そう言うことですね」
「そっか。お前たち、進むぞ」
「はい」
心配する騎士たちを差し置いて奥へと進むシリウスたち。
雷光の魔宮の一層目、ボス部屋。
通常のリザードマンよりも2倍の大きさのある青いリザードマンは、挑戦者たちを待っているかのように王座に座っていた。
そこへ、青白いモヤが扉の隙間から現れモヤは、女性の姿へと変わっていく。
「あの方の『覚醒』に一役買って頂いましょう」
女性は、何も無いところから真っ白な杖を召喚して杖を青いリザードマンに向ける。
杖の先端に白い光が集まり球体になる。
白い光球を青いリザードマンに放つ。光球がリザードマンに命中すると繭へと変わりリザードマンを包む。
しばらくすると繭に亀裂が走る。繭を破り現れたのは三メートル以上ある青いトカゲような生き物だ。
女性は、青いトカゲが生まれたことに満足したような笑みを浮かべる。
「ふっふふふ。まさか、『ブルーサラマンダー』に進化するなんていい素材だったのね。さてさてもうすぐ彼らがここに来るし私も見学しましょうか。」
女性は、青白いモヤへと変わり天井に張り付く。
ブルーサラマンダーは、部屋の中心へとのしのしと移動し身体を丸め眠りについた。




