86話
慌ただしく学園生活は、過ぎていく。
ヴァイアが魔人になってから一カ月が過ぎた。
ちっともクラスメイトたちは強くなっていなかった。
俺が提案した『育成プログラム』は、シリウスとバルトに却下され本来のプログラム通りに進んで行った。
俺、物足りず一人で宝具神殿に通い詰めていた。
そんなある日、いつものように宝具神殿で鍛錬しようと学園から抜け出して宝具神殿に向かっていると俺のあとを数名がついてきていた。
「この足音は、クラスの人たちですか。・・・ちょっとイジワルをしましょうか。」
俺は、指を地面に付けた前傾姿勢する。
「よい――どん!」
見事なクラウチングスタートをしてストーカーたちを引き離し宝具神殿に向かった。後ろから「あ! 逃げた! 追いかけろ!」とシリウスらしき声が聞こえた。
学園都市から10キロ離れた森の奥にある宝具神殿に着いた。
後ろを振り返ると誰も居なかった。
クラスメイトは、誰一人として付いては来れなかったらしい。
3日連続でクラスメイトたちは、俺のあとをつけていた。
付いてきてることに気づいたら全力疾走をして逃げ切る。
そうしてうちにクラスメイトたちは、二週間で森までついて来れるようになっていた。
物陰に隠れてクラスメイトたちの様子を伺うとシリウスが指示を行なっていた。
足の速いロイドが俺を尾行して俺が向かうであろう場所を予測して次に足の速いリグに予測ポイントを話して皆に伝え、俺のあとについて来ているらしい。
なるほど。じゃあ。今度は魔力を纏ってもー少し早く走るか。
彼らも魔力の使い方を理解したのか、徐々に俺について来れるようになって来たが宝具神殿までは、ついて来れなかった。
しばらくしても誰も来なかったので俺は、宝具神殿で鍛錬をして1時間後。宝具神殿から出るとシリウスとロイド、リグが待っていた。
「やぁ。三人とも来ていたのですね? ――では、頑張ってください」
帰ろうとするとシリウスに腕を掴まれた。
「ルクス。ちょっと待て。」
「なんですか? 夕飯に遅れますよ。」
「お前。宝具神殿で何をしていた」
「あー。普通に鍛錬してましたよ?」
シリウスは、じっーと俺を睨まれ、ため息をつかれた。呆れられたのか俺の腕を離してくれた。
「お前に何を言っても無駄な気がして来た。」
「え。まぁ。なんでもいいですけど俺は帰りますね」
「待て。俺たちもついていく」
「まぁーいいですけど。シリウスたちは、宝具神殿に行かなくて良いんですか?」
「こんな軽装でいくわけないだろ」
行かないならここまで来た意味ないだろに。てか。シリウスたちをよく見るとボロボロだ。何があったんだろうか。
ここら辺の獣、弱いし木の根に足を取られて転んだのかなぁ。




