83話
ゼノスたちは、黒い太陽が輝き怪しげに照らす世界に来ていた。
乾燥してヒビ割れた大地には、草の根一本たりとも生えていない荒野にドス黒い霧が地面を這いつくばっている。まるで世界が滅びたかのような風景が広がっている。
「ヴァイア。ようこそ! 魔界へ」
満面の笑みを浮かべ両手を広げ、ヴァイアの方を向き丁寧にお辞儀する。
「ゼノス! ヴァイアじゃない。ルクスと呼べ。」
「それはそれは――申し上げございませんでした。――それでは、我らが創造主の御前に案内します。ついて来てください」
ゼノスは、ゆっくりと歩き始めた。ヴァイアは、辺りを観察しながらゆっくりとゼノスのあとを追う。
しばらくすると荒廃した巨大な神殿が見えてくる。
天へと伸びた階段。その両脇には、頭のない天使が祈りをしている像が飾られていた。
その頂上には、神が居たであろう神殿がぽつんと寂しく建っている。荒廃する前は、美しかったであろうその神殿は、今やその影すらない。
ゼノスは、その神殿の前で立ち止まる。
「ゼノス。どうした?」
「いえ。なんでもございません。」
ゼノスの声はどこか悲しげであった。
切なそうに神殿を眺めるとゼノスは、神殿に入っていく。「なんだあいつ」と呟きながらヴァイアも神殿に入る。
壁紙は剥がれ落ち、壁に所々、穴が空いていた。
身廊に置かれている長椅子は、僅かに原型を留めているが今にも崩れそうになっていた。
祭壇の奥。その教会が祀る神の像は、頭が崩れ落ちていた。
ゼノスは、祭壇の脇にある扉を開き奥の部屋と入っていく。
身廊よりも高い天井。黒い太陽が真上に存在し円卓を照らしていた。
円卓に置かれた七つの椅子。
その一つに座る鬼。グリードは、ゼノスを見た途端、円卓を殴る。
「遅い! ゼノス、いつまで待たせやがる」
「すいません。思った以上にアイツが強くて手こずりました」
「ア゙ そいつは誰だ?」
グリードは、ヴァイアを指差す。
「紹介します。彼は――『嫉妬ノ王』ことルクスです!」
「ルクス? あ? アイツか?」
「いえ。アイツでは、ありません」
「そっか。」
グリードは、ヴァイアを横目に見てため息をついて円卓に足を置く。
「ルクス。彼は、『強欲ノ王』で名前は、まだありませんので彼のことは、グリードとお呼びください」
「あー。わかった。グリード。よろしく」
ヴァイアは、握手しようとするが拒否される。ヴァイアは、イラッとくるも大人しく空いている席に着席した。
ゼノスは、神の像へとゆっくりと近づき円卓の方を振り向き円卓に両手を置く
「では、我ら『太陽教』の目的を改めてお話しましょう!」
ゼノスは、狂ったような瞳でグリードたちを見る。




