72話
教壇に上がる男性教師は、バインダーを注目させるために教卓にバンっと置く。
「入学おめでとう。オレは、お前たちの担任のバルト・フォースクだ。これから三年間よろしく!今日は自己紹介だけで終わる予定だ――では、廊下側から自己紹介をよろしく!」
バルトは、廊下側の1番前の席の人を指差す。
男性生徒は、ビシッと立ち、腕を後ろで組み、後ろの人たち顔が見えるように振り向く。まるで規律重んじる兵士のような風格でいかにも規則にうるさそうな顔をしている。制服の上からでも分かる筋肉質であり高身長。
「はい!小生は、リグアント・リガストであります。気軽にリグとお呼びください。皆様、よろしくお願い申し上げます!」
拍手と共にリグは、深々とお辞儀する。その後ろの女子生徒は、気怠そうに立ち上がる。黒髪のショートボブ。釣り目で今にも眠りそうな表情をしていた。
「どうも。ウチは、リンって言います。じゃあ、よろしく」
少し訛りのある挨拶を終えると座り、机に突っ伏すして寝る。スッと次の人が立つ。
おっとりとした雰囲気を醸し出している女子生徒。ボンキュッボンのメリハリのあるスタイル。所謂、モデル体型。
「初めまして。ルルン・アルベリアです。みんな、これからよろしくね。」
落ち着いた声色でおっとり挨拶をして席に着いた。次は、シャルル様の番。
「皆さん。初めまして。シャルル・バリアドホーク。三年間よろしくお願いいたしますわ。」
胸に手を置き可愛らしい笑顔を見せる。思わずその笑顔にときめいた瞬間。モニカ様から冷たい視線を感じる。それに気づいたのかモニカ様を見つめたながら席に着くシャルル様は、面白がってそうだった。
次に席を立った生徒。
スラっと細い身体。黒髪に丸メガネ。見るからにガリ勉そうな見た目の男子生徒は、メガネをクイっと人差し指で掛け直す。
「シルド・リベルタです。皆さん。よろしく。」
スッと席に着く。
そして、俺の番が回ってきた。立ち上がろうとした。その時、バルトは、パンっと手を鳴らす。
「お前は、最後だ。」
そう言って俺を指差す。思わず「え?」っとなりそうになったが堪える。
後ろにいるヴァイアは、バッと席を立つ。
「ヴァイア・グラストだ。よろしく。」
シリウスに怒られて未だ不満が溜まっているような感じの声色だった。
シリウスが席を立つ。その姿は、王の風格を纏っている。
「すでに知っていると思うが改めてシリウス・アルフォード。この国の第一王子だ。気軽にシリウスと呼んでくれ。皆これから頼むぞ。以上だ。」
優雅な佇まいでゆっくりと席に着く。
モニカ様は、ゆっくりと優雅に立ち上がり一礼する。
「モニカ・アルフォードです。この国の第3王女です。私も気軽にモニカとお呼びください。皆様、シリウスお兄様と共によろしくお願いします。」
モニカ様は、もう一度一礼して席に着く。
次の金髪の男子生徒が席を立つ。あ、今朝、会った少年だ。やっぱり見覚えがある。
「ロイドです。よろしくお願いいたします。」
金髪で細身の高身長でイケメン。羨ましいと思うほどイケメンでありながら声もイケボとか羨ましいわ。・・・ロイド。ロイド!!ってあのロイド。あれ?ゲームと違って負のオーラが無いだと。他人の空似ってことはあり得るか。
「さぁ。最後だ。『若き英雄』!自己紹介を頼むぞ」
何故、バルトがドヤるんですかとものすごく言いたい表情でそう言った。
『若き英雄』とバルトが言った瞬間。教室は、ざわめく。
さて。文句は、色々とあるが自己紹介しますか。
俺は、ゆっくり立ち上がり、横を向いて生徒たちを眺める。
「初めまして、ルクス・ドラニクルです。皆様。これから三年間よろしくお願いします。」
軽いお辞儀をする。ゆっくりと顔をあげるとものすごく嫉妬の視線を真横から感じ横目にその視線の主に目を向ける。ヴァイアは、今にでも嫉妬で狂いそうな雰囲気を纏っていた。
見なかったことにしよう。
俺は、席に着くとバルトは、黒板を叩くと黒板に学園内のマップが表示された。
「さっきも言ったが今日の所は、授業は、ないが明日は、午前中は、学園案内。午後からは、実践講習をやるから今日はゆっくり休めよ。――では、解散!」




