67話
俺は何故か。公爵家の馬車に乗せられている。
向かいに座るモニカ様とシャルル様、リアは、楽しく会話をしている。気まずい俺は、外を眺めていた。
隣には、お嬢様たちに手を出したら殺すというオーラを纏うメイドさんに睨ませている。
はあ。怖いよ。早く着かんかなぁ。
「ルクス様?。聞いていますか?」
瞳をうるうるさせて上目遣いでそう質問してくるモニカ様。・・・聞いてなかった。どうしよう。
返答に困っているとモニカ様は。頬をハムスターのように膨らませる。
「そうですか。聞いていませんでしたか。まあ。いいでしょう。もう一度、聞きます。どうして、私とのお見合いを断ったのですか?」
「へ?。いや、その〜。」
一気に血の気が引いた。見合いは、問答無用で断っていたからなんて言えるか。そもそも、なんでアルスもチェックしてないの!。いや、自分でちゃんと確認しろって言うのは、わかるけど。知っていたら王族から見合いなって断るはずないじゃん!普通。
「モニカ様。ルクス様に変わってその質問にお答えしましょう。それはですね。この人がお見合いの申し出を見ず、問答無用に断っていたのですよ。」
リアのいつもは見せない純粋無垢な眼で素直に答えやがった。
「そうだったのですね!私がお嫌いで断ったわけでは、なかったのですね。」
モニカ様は、胸を撫で下ろして喜んでいるのように見える。隣に座るシャルル様は、やれやれと言わんばかりの表情を浮かべていた。
「そうなるとルクス様は、誰とも婚約をしていないと言うことですね。」
「そ、そうですね。そんなことより野盗たちがバルド子爵に雇われたと言っておりましたが心当たりはお有りですか?」
「心当たりですか。おそらくですがシリウスお兄様派閥とオリオンお兄様派閥のいざこざに巻き込まれたのでしょうね。シャルルがシリウスお兄様の婚約者候補でもあります。」
モニカ様は、馬車の窓から遠くを見つめた。
「それにルクス様の実力を測るためでもあると思うのです。ルクス様を取り入れ派閥を強めようとしているのでしょね」
「そうですか。派閥ですか。」
つまり、シャルル様を拉致監禁してシリウス第一王子の王位継承権を剥奪させようとした魂胆かつ俺がここを通ると事前に知っていた上で野盗団に襲わせたと言うことか。
通りで誰かに見られているような感覚があったのか。
「なのでルクス様!私と結婚すればこう言ったいざこざに巻き込まれなくなりますよ!」
「あ、え、考えときます。」
モニカ様は、頬を膨らませる。リアとシャルル様は、笑うのを堪えている。
「ちゃんと考えてくださいね。ルクス様にお願いといいますか護衛指名依頼させてください!」
「はい。わかりました。」
モニカ様は、握手求めてきて握手を交わす。
こうして、護衛依頼を受けることになったのである。




