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サンガリオン  作者: 白野シャチ
一章 疫病と強欲の王

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54/94

54話

「そっか!ボクを殺しに来たか!ボクは、英雄君を殺すためにここまで来たんだよ!両思いだね!」

 

 シャードデーモンの足元の影が触手のような物体が生え先端をランスのような鋭いもの変形する。

 その触手を俺の胸を狙って放つ。ツクヨミでその触手を斬り落としすぐさまに距離を詰める。

 切り落とせた。でも感触がなかった。もしかしてこいつ、月の光に弱いのか。なら夜襲を仕掛けなかったのは。そう言うことか。


「ゴブリンども!ボクの盾になりやがれ!」

 

 シャードデーモンに近づけまいとゴブリンたちは、自らを盾として行手阻むが容赦なく斬り捨ていく。

 その僅かな時間でシャードデーモンは、無数の触手を生やし、その先端を様々な武器に変化させ待ち構えていた。


「マジかよ。」

 

 俺は、帯刀していたもう一本の真っ黒い刀を左で抜いた勢いのまま、前へ斬撃を飛ばす。

 一本の触手を犠牲にして斬撃を食い止め残りの触手で俺に攻撃を放つが全て斬り落とされた。


「英雄君!やりますね。・・・ですがこの数は、どうですかね!」


 シャードデーモンは、影から5体のゴブリンジェネラルを召喚し一斉に俺目掛けて襲いかかってくる。

 逆手に持ち替えて鞘に納め前方へ跳躍しながら頭上に両手を上げ、亜空間収納からグレードソードを取り出し着地と同時に振り下ろし一体を斬り倒し、左に回転しながら残りの4体も胴体を切り裂き倒していく。

 シャードデーモンは、余裕なのかそれともこっちをおちょくっているのか「おー」っと言いながら拍手をしている。


「シャードデーモン。バカにしているのか?」

「いえいえ。バカになどしていませんよ。いやお強いなって思って賞賛しただけですよ。」


 不気味な笑顔をする奴だ。魔王の影か。前世のあの噂が本当だったらこいつは。

 油断していたところに顔目掛けて槍が飛んでくる避けようとするも左頬を掠める。

 避けられてはぁーとため息をつくシャードデーモン、


「これもダメですか。ほんとに厄介な人間ですね。あの方が復活したら邪魔になりますし今のうちに処分したいんですけど。それは無理そうですね。」


 あの方の復活したらってことはまだしてない。あの方が気になるが口を割るかどうか。いや、割らないだろな。


「では、次を試してみましょう!」

 

 そう言ってシャードデーモンは、パンっと手を叩くと影から3メートルを超える図体で緑色の肌、白いツノが2本生えたゴブリンぽい化け物を三体も召喚した。すると周囲にいたゴブリンたちが少なくなったような気がした。


「あれは、ゴブリンキング!?」


 ゴブリンキング。ゴブリンジェネラルが特殊条件で進化したゴブリン種の王であり魔王種に近い存在である。その強さは、ゴブリンの数百倍。

 それが三体。・・・え?三体。馬鹿じゃないの。厄災級よ。どうしよう。


「流石の英雄君でもこれはきついですよねぇ。さぁー第二ラウンドを始めますよ。」


 シャードデーモンは、笑いを堪えながらそう言った。俺の負けが濃厚だからって余裕そうな感じがさらにムカつく。

 こうなったら。

 大剣を亜空間収納に仕舞い2本の刀を抜く。黒い刀を天へと掲げる。


新月(イアフ)よ。全ての光を喰らえ。宝具解放『侵食月華』」


 黒い刀から黒い雲のようなものが太陽を包み新月のような薄く光が華のように咲き誇る。するとゴブリンたちは、パッと消えた。

 シャードデーモンは、驚きを隠せていなかった。


「おい?どうした?シャードデーモン。」


 俺が持つ黒い刀。宝具『イアフ』。エジプトの新月の神を関する名を持った宝具。宝具解放『侵食月華』。闇雲が太陽もしくは月を包み一輪の花を咲かせ薄い月の光を放ち、悪きものたちを浄化する。


 悔しがるシャードデーモンは、大量の触手を生やす。

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