53話
ゴブリン戦。2日目。
早朝。朝日と共にゴブリン軍勢が押し寄せる。
俺は、先頭に立ち迎え撃とうとしていた。
隣に衛兵長が立つ。
「ルクス様。お指示を。」
振り返り衛兵や冒険者たちを見る。そこには、ゴブリンの軍勢を押し寄せている中でも活気が溢れていた。
「皆さん。勝ちに行きます!!」
「おー」っと掛け声が上がる。
刀を掲げ振り下ろすと一斉に冒険者や衛兵たちは、ゴブリンの軍勢に立ち向かう。
目を瞑り、神経を研ぎ澄ましてゴブリンジェネラルを探す。するとゴブリンの軍勢の中にすごい魔力を放つゴブリンでは、ない何が居た。
「衛兵長を指揮官に任命します。僕は、ゴブリンの親玉だと思われるやつを見つけました。そいつを倒してきます。あとは、お願いします!」
「わかりました」
衛兵長は、そう言って衛兵や冒険者たちに指示を出し始める。
親玉だと思われる何かに近づくためにゴブリンたちを蹴散らしいく。
ようやく、親玉へと辿り着いた。
第一印象が実態のある黒い影。その形は、歪でありながらも人の形をしていた。
そのモンスターに見覚えがあった。
「確か。『魔王の影』の異名を持った悪魔系統のモンスター。シャードデーモン。」
「よくお分かりで!勇者になれなかった英雄君!」
悪魔系統のモンスターか。これまた厄介な。悪魔を倒すためには、聖なる加護を持った武具か聖水が必要となる。
さて、聖剣シリーズの宝具はないけど。愛刀あるしどうにかなるか。
俺の愛刀。月のように白い刀。その刀の名は、宝具『ツクヨミ』。月の神の名を関する宝具は、神器シリーズの一つである。聖剣シリーズのワンランク上のレアリティを誇る。前世から愛刀で扱いに慣れている。
宝具戦技『鏡面満月』。使用者を中心に半径5メートルから10メートルの大きさの半ドーム型の月明かりの薄い膜が覆う。その膜に何かが接触した瞬間、無数の斬撃が放たれる。強力な技だが大量に魔力を消費する。
ツクヨミを抜刀しシャードデーモンに刃先を向ける。
「シャードデーモン。残念だけど僕は英雄でもないよ?ただ君を倒しに来た冒険者だよ。」
シャードデーモンは、不気味な微笑みをする。
「そっか!ボクを殺しに来たか!ボクは、英雄君を殺すためにここまで来たんだよ!両思いだね!」
興奮気味にそう言ってシャードデーモンは、ランスのように影を尖らして俺の胸を狙い放つ。




