5話
時間は少し遡りルクスの自宅では、ルクスが両親に黙って家を出て街の外まで行ったことが両親にバレてしまった。
大騒ぎとなり、衛兵たちやメイドたちの捜索が始まった。
慌てふためくルクスの父親、アルスは、執務室の自分の机の周りをぐるぐると回っていた。
ルクスの母親、ティマは、アルスとは違い落ち着いた様子で赤子でルクスの妹、リリィをあやしていた。
「どうしよう?!ティマ!、ルクスが!、ルクスが!」
「あなた。落ち着きなさい。あの子は強いから大丈夫よ」
「これが落ち着いていられるか!ルクスはまだ3歳なんだぞ!」
アルスは、感情ままに机を叩いてしまう。その音にリリィが驚いてしまい大泣きしてしまう。「ごめんよ」とリリィを慰めようとアルスは近づく。「大丈夫よ。」とティマはリリィをあやす。
「あなたが心配することも分かりますがあの子は・・・強いので獣ぐらいは素手で倒せますよ」
ティマは、ルクスの心配をしてはいなかった。ティマは、知っているのだ。彼が幼い頃から魔力による身体能力をすることを目撃していた。その事をルクスは、知らない。
「いやいや無理だろ。まだ、3歳だぞ」
アルスはないないと顔の前で手を振る。何も見てない人は、これだからと内心思っているティマは、スッと立ち上がる。
「そんなことよりも冒険者、数名とメイド数名でルクスの探索に向かわせましょう。」
「冒険者なんて雇う金ないぞ!」
アルスがそういうとティマは、ため息をこぼし執務室を出ようとしていた。
「お金の心配はおそらく必要ないですよ。あの子が宝具神殿で稼いできますから。」
鳩が豆鉄砲を食らったかのような表情を浮かべる。アルスを横目にティマは、そう言い残しドアノブに手をかけようとした。
その時、ノックが数度鳴り、扉が開く。そこには、息を切らしたメイドがいた。
「報告があります。ルクス様が宝具神殿に行かれたみたいです!」
アルスは、何故わかったと目でティマに訴えるがティマはメイドを笑って見つめていたがその目の奥には、鬼が宿っていた。メイドは、その目に怯えながらも報告を続ける。
「メイドのリアがルクス様を救出に向かいました!」
ティマは、その事を聞いてキョトンとなっていた。
「そう。あの子が・・・むしろ、リアが心配ねぇ。ねぇ。貴女。至急。兵士たちに呼んでくれないかしら?」
「わ、分かりました!」
メイドは慌てて兵士たちのところへと向かった。
「何故。ルクスが宝具神殿に向かったことを知っていた。」
ティマは、アルスを悲しそうに見つめてゆっくりと口を開いた。
「・・・あの子は、転生者なのよ」
それを聞いたアルスも暗い表情になった。
「ティマ。その目を使ったのか。そっか。・・・あの子が・・・」
ゆっくり窓の方へと歩き出し外を見つめるアルス。
「・・・文献通りなら・・・ヤツらが目覚めるのか」
アルスはそう呟いた。




