45話
領民の避難が完了し衛兵及び冒険者の配置も完了して籠城作戦の準備は、万端だ。あとは、アルスが連れてくる騎士団と共にゴブリン達の殲滅作戦に切り替える。
アルスが来るまで持ち堪えるだけだ。
俺は、防衛の最前線で最後の指示を終え、作戦会議用のテントで待機していた。
ほんとにこれでよかったのか。もっといいやり方があるはずだ。不安ばかりが先走る。
「ルクス様。どうなされましたか。」
俺が不安になっていることを理解したのか衛兵長が優しい口調でそう問いかける。
「不安なんだよ。」
「ルクス様も人間なんですね」
俺の不安を取り除こうと冗談で衛兵長は、そう言ったのだろう。
「・・・僕は人間ですよ?」
「そうですかね。幼い頃から宝具神殿を攻略したり時には凶悪な盗賊団を捕まえたり、この領地のため、知恵を搾り領民達を貧困から救いになった方でも10歳の初陣は緊張なされますか」
自分のことでもないのに誇らしくそう言った衛兵長は、テントの出入り口を開き話を続けた。
「年端もいかない貴方様は、この街をこんなにも豊かにした。大丈夫です。アルス様や貴方様の政策で我は、強くなりました。多くの冒険者も快くこの作戦に参加してくれた。自信を持ってください。」
そうだ。俺はこの街を。いや俺たちがこの街を守りたい気持ちは一緒なんだ。
「ありがとうございます。衛兵長。」
「いえ。それに大丈夫ですよ。きっとアルス様がお強い騎士団を連れてきますから」
そこへ一人の衛兵が慌てた様子で走ってくる。
「失礼します!。ゴブリン軍勢の全貌が明らかになりました。総数・・・二十万!」
推定よりも多い。二十万か。・・・覚悟を決めるか。
「わかった。それでいつこの街に来そうだ?」
「・・・あと1時間以内には、来ます。」
衛兵は、俯く。そりゃ、不安だよな。俺だって不安だし。
「わかった。衛兵、冒険者達に集めろ。籠城作戦実行するぞ」
「「はい」」
衛兵団、冒険者達を集め壇上に上がる。
「ぼ、俺は、ルクス・ドラニクル!父、アルス・ドラニクルに変わりこの作戦の責任者だ!お前達もわかっているだろが二十万のゴブリンの軍勢がこの街を目指し進軍している!だが恐る必要は、ない!アルスがこの国が誇る最強の騎士団を連れてくる!それまでこの街を防衛すればいいだけの事だ!気を引き締めろ!作戦開始!!」
俺は抜刀し刀を掲げると同時に「うおぉぉ!」と大地が揺れるほどの雄叫びが上がる。
この瞬間に籠城作戦が開始された。
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