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サンガリオン  作者: 白野シャチ
一章 疫病と強欲の王

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40/47

40話

 リアがレオの救援を行った時。俺、ルクスは、嫌な予感がしていた。

 どうしても気になりリアの跡を追うような形で向かいそして、レオとリアvsホブゴブリンの戦いをボス部屋前で俺愛用の魔力封じの無地の真っ白な仮面をして魔力を隠し観戦していた。

 レオに貸した宝具『サラマンダー』。レオは、宝具に宿る炎の精霊に認められた。宝具の持つ本来の力を発揮すれば勝てると思っていた。

 しかし、それは甘い考えだった。

 俺が思っていた以上にホブゴブリンが強かった。アイツ。本当にホブゴブリン?と思い鑑定してみた。

 種族名ホブゴブリン(変異種強化個体)となっていた。ゲームの頃、数万回に一度の確率で出現する最強個体。余程の実力者でないと勝てない相手。

 それが今、現れてしまった。

 油断していた。何を言っても言い訳にしかならない。この状況。汚名返上のために奴を倒す。俺は、帯刀している刀に手を置きいつでも奴を斬れる準備に入る。

 レオの胸ぐらを掴むとするホブゴブリンの腕をボス部屋の入り口から斬撃を飛ばして斬り落とす。

 困惑しているホブゴブリンの隙をついてレオの目の前に立つ。


「助けに来るのが・・・遅いですよ。・・・ルクス様。」


 レオは、か細い声でそう言って目を瞑った。

 気絶したレオをレオの前に現れた俺は、優しく横にしてホブゴブリンに刃先を向ける。


「さて。次は、僕が相手になってやろう。」


 ホブゴブリンは、その人物を見るや否や、我を忘れて拳を振るう。

 その拳を受け止めてニヤリと笑い。握っている腕を引っ張り回転蹴りをしてホブゴブリンを正面の壁まで吹き飛ばす。

 その隙にリアを目視で確認する。微かに動いている。よかった。生きてる。


「リアさん!生きていますか?」


 俺の声に反応してピクッと動く。よかった生きてる。

 亜空間収納からエメラルドがついた杖を取り出し魔力を注ぎ込む。


「・・・この範囲なら届く。宝具戦技『ヒーリング』」


 杖に宿して杖先で数回、床を突く。すると魔法陣がボス部屋全体に展開される。

 数秒後。魔法陣から淡い緑色の幾千の星屑が空に昇るようにゆらゆらと宙を舞う。星屑たちは、リアとレオの傷を癒やしていく。すると杖に微かな亀裂が入る。

 宝具『癒しの杖』。死んでいなければどんな怪我でも一瞬にして治癒することができる宝具であるが怪我の状態によって使用魔力量が変わり一度使用すれば12時間使用不可能となる。

 ホブゴブリンは、立ち上がると俺に襲いかかろうと全速力で走ってくる。

 この間合いなら届くか。

 癒しの杖を亜空間収納にしまい斬撃をホブゴブリンに飛ばす。

 ホブゴブリンは、その斬撃を避け近づくことを諦めたのか床に散らばった石を投げてくるが命中精度は悪く当たりはしない。

 リアは、ゆっくりと瞼を開き、周囲を見渡す。俺に気づきレオの元へと駆ける。


「リアさん。レオを守ってください!」

「了解しました!」


 リアにそう指示をしてホブゴブリンに駆ける。

 近づくなと言わんばかりに石ころを連投してくる。レオたちに当たらないように全て斬り刻みながら進む。一切スピードを落とさない俺にわざわざ床を壊し大きなタイルの破片を投げる。

 鞘を持ち刀を鞘へと納め、背中を丸め左膝が地面につくほど低い姿勢を取り刀に魔力を込める。すると俺を中心に半ドーム型の月明かりの薄い膜が覆う。

 その膜にタイルが接触した瞬間。抜刀する。解き放たれた無数の斬撃がタイルは、砂のように砕く。


「宝具戦技『鏡面満月』」


 俺は、瞬時に鞘へと納め抜刀の構えをした。

 ホブゴブリンは、何が起こったかわからないような表情を浮かべ、俺に攻撃が通じないことを理解した。

 逃げ場所のない部屋。圧倒的な存在に絶望したのか。その場に座り込む。


「なんだよ。せっかく。本気で戦えると思ったのにさぁ。」


 俺は、ゆっくりとホブゴブリンに近づく。

 俺という死を運ぶ存在にホブゴブリンは、生にしがみつこうと石ころを投げまだ抵抗をする。しかし、その石は、俺には届かない。


「終わられますか。」


 刀を頭上まで振り上げ振り下ろす。ホブゴブリンの身体は、真っ二つに分かれ灰と化した。

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