18話
アデルに連れて来られたのは、縮小版のコロッセオみたいな訓練所。
観客席と見られる所に複数の冒険者たちとギルドの規定制服を着た職員。そしてリアの姿が見える。リア。いつの間にあっちに移動した?。
アデルはコロッセオの中央に仁王立ちした。
「試験は実にシンプル!。俺と宝具なしの一対一の勝負だ!!」
今、宝具なしって言ったよね。え。一気にやる気なくなったわ。
「おいおい。そんなしょぼくれるなって俺と闘うのが嫌だからってオッサン泣くぞ。」
「いや。貴方と闘うのが嫌だというわけではなく。・・・宝具なしが・・・」
「試験で宝具使うのはダメだろ」
アデルから正論に泣きそう。
「ルール説明していいか?」
「あ、どうぞ」
「ルールは、簡単だ。制限時間、1時間の間に俺に一撃当てれば合格だ。ただし、武器は、木製。それ以外はスキル、死なない程度の魔法なら使用可だ!。武器はあそこに用意してある。さぁー選んでこい」
アデルが指を指す方には、塀の向こうに箱があり、そこに訓練用と思われる武器が所狭しと置いてある。その種類も豊富だ。
宝具使用禁止ならだが素手で行こう。そうしないとワンチャン殺しかねないからなあ。
「武器は要りません。拳があるので。」
フッハハハっと嬉しそうにアデルは笑う。
「俺と同じ人種か。いいね。やろうか!」
「はい。お願いします。」
俺はアデルに一礼する。それに習ってアデルも一礼をして俺とアデルは、拳を構える。
「お二人ともお待ちください。」
コロッセオの入り口から入ってきた女性のギルド職員に今から闘うと闘志を燃やす俺たちを制止させられた。
「ギルマス。立会人が居なくて試験が意味ないでしょ。」
メガネをかけたいかにも礼儀に厳しそうな女性のギルド職員がこちらを見ている。
あ、やべ。仮面つけっぱなしだった。急いで仮面を外しローブ、刀、仮面をインベントリに入れる。
「ほぅ。スキル持ちか。いいね。」
「亜空間収納ですか。便利ですね。冒険者より商人の方が向いてる気が・・・」
「・・・いや。ボウズは、冒険者向きだ。見てればわかる。」
「そうですか。お二人とも準備はよろしいですね?」
「おうよ。」
「はい」
俺たちは、再び拳を構える。
両者をゆっくりと戦闘準備を確認したギルド職員は、右腕を上げ振り下ろす。
「始め!!」
その掛け声と共にアデルは、一瞬で3メートルあった間合いを詰め、俺の顔面に右正拳突きを放す。咄嗟にバックステップをしながら左腕で正拳突きをいなすも左頬を掠める。
「ほぅ。やるな。」
「いえ。それほどでも。」
あぶな。あと少し反応が遅れてたら直撃してたぞ。てか当たり前のように縮地使いやがる。警戒しながら反撃に出るか。




