14話
人気のない森の奥。
誰も近づくことのない洞穴にドス黒い霧が蔓延していた。
その霧から緑色の肌をした小人、『ゴブリン』が姿を現す。血走った目で周囲を見渡し雄叫びを上げる。
そこへ。狼が草むらから顔を出した。
ゴブリンは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ持っていた木の棒の先を尖らしただけの槍を狼向かって投げる。
空を裂き狼の額へと吸い込まれるように刺さり絶命する。ゆっくりと狼に近づき狼を喰う。
勝った喜びなのか。それともよほど美味かったのか。ゴブリンは、雄叫びを上げる。
その雄叫びで周囲の鳥たちは一斉に飛び出す。
ドス黒い霧は、ゴブリンの足に纏わりつく。振り払うとするも振り払えず徐々にゴブリンの全身を飲み込む。
完全にゴブリンをドス黒い霧が飲み込むと不気味な光を放つ。
光が収まるとゴブリンの姿は、異形の姿へと変えていた。
ゴブリンの額からは黒ツノが2本生え、赤き瞳に黒い結膜となり緑の肌は、ドス黒い血のような肌に変え細かった身体は、筋骨隆々となっていた。
雄叫びは、咆哮と呼ぶ相応しい程に変わっていた。
ドス黒い霧は、人型に姿を変え何処かを指差す。口をパクパクさせてゴブリンに何かを指示する。ゴブリンは、頷き高笑いする。
「・・・我、創造主よ。わかった。勇者。殺す。勇者。殺す。・・・」
ゴブリンは、狂ったように「勇者。殺す」を言い続けながらドス黒い霧が差した方向へと歩いて行った。
「もう少しで『サンガリオン』が手に入る。これでアイツらに復讐が出来る。待っていろ。次こそこの世界を・・・壊してやる!」
ドス黒い霧は、太陽に手を伸ばし太陽を握る潰すかのように拳を握り霧散した。




