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EAST SiDE SOUL 〜それでも私はブルースを紡ぐ〜  作者: ローラーコースター
第二章 Everything's Gonna Be Alright
18/33

12-1 Work Our Mojo!

 「EAST SiDE SOUL初ライブ、頑張ろう!」

「「「「「おー!」」」」」

<No Way Out>のステージ横で、私たちは円陣を組んで気合を入れた。会場時間になると、クラスメイトがちらほら来てくれていた。彼らはメンバーの友達であり、ソラ先輩の暴挙に飽き飽きして私たちと接してくれている面々だった。更にミカ先生と生徒指導の先生たちも来てくれた。二人は理事長たちのせいとは言え、夢を追う生徒たちを守りきれなかったから、せめて応援してあげたい、と言ってくれた。更にどこから聞きつけたのか、イースト・スリムのファンだった人や、<T-Bone>のマスターまでいた。十中八九マスターが声をかけたんだろう。

 18:50になり、会場の照明は徐々に薄暗くなる。心に緊張の靄がかかり、心臓が少し苦しくなる。<No Way Out>のマスターがブルース好きの常連に声をかけ、ホームページやお店の黒板で宣伝してくれたおかげで、お店にはブルースが好きな大人たちまで入ってきていた。

 それとは別に今日の対バン相手は皆ロックバンドだ。順番としては1970年代の伝説的ロックバンドであるLed Zeppelinを意識したハードロックバンド、サイケデリックなバンド、EAST SiDE SOUL、そしてトリがブルースロックのバンドだ。特にハードロックバンドとブルースロックバンドはワンマンをやる程の実力派らしい。<No Way Out>のマスターがこっそり教えてくれたが、今回は現段階での最高火力のバンドたちをブッキングしたのだとか。その理由はイースト・スリムの孫の初陣は華やかにしたい、というのと日本でブルースというマイナージャンルで売れたいならこれくらいの難関は超えてほしいというものだった。

 19:00になり、ステージは暗転する。破裂音の様なギターのいななきと共に、最初のバンドが演奏を始める。そのバンドはリフ(印象的なフレーズ)ものの曲が多く、ギターとドラムの掛け合いなんかもあってかなりの盛り上がりを見せた。その分、後続のバンドに緊張が走る。二曲目もテンポの速い、ファンク調の盛り上がる曲だ。しかし、高音が強く出る設定のアンプは耳が痛む様な音を送り出す。それでも、フレアのジーンズで決めたフロントマンたちのかっこよさはお客さんを魅了していた。三曲目になっていきなりスローブルースっぽい曲が始まる。ギターは啜り泣き、会場が悲しみの激情に包まれる。たっぷりとギターソロを取り、盛り上がったところでボーカルが歌い始める。MCになり、ボーカルがバンドメンバーが全員北高生であることが告げられる。このクオリティーが高校生の指や喉から生まれていることに驚かざるを得ない。そこからもブルージーなハードロックで会場の熱狂は最高潮に達した。

 10分の休憩を挟んで次のバンドの演奏だ。このインターバルの時間、マスターは気を利かせて60年代のサイケデリックロックかけていた。そして再び暗転、しばらくの静寂が襲う。ワウ(エフェクターの一種)がたっぷりかかったギターのフレーズが始まり、バンドが入ってきた瞬間、ライトが煌々と輝く。怪しげなメロディーが完全に世界観を塗り替える。覇気溢れるドラムのフレーズ、サイケデリックな色の楽器や洋服、そして何より彼らの音が令和的サイケデリックの世界にお客さんを導いていく。このバンドはキーボードもいて、彼女の浮遊感ある滑らかな音が世界観の色を鮮やかにしている。

「ユウ、最後の確認。こっち来て。」

アカネに言われて、私は控え室に行く。控え室は小さくて、出演者共有だが、ライブの爆音が遮られて、話すのにうってつけだ。私たちは書き込みだらけのコード譜を見ながら、お互いに大事なところを確認していく。

「EAST SiDE SOULさん、次です。応援してるよ!頑張って!」

幼馴染のレンの声で私たちは準備を始める。薄暗いステージで各々、機材や楽器を準備していく。そしてステージが暗転した時、私たちの初めてのステージが始まった。

読んでいただきありがとうございます。毎日最低で一話は投稿していますが、時間は不定期となります。


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