1/11
六月二十一日 僕が彼女に出会った日
どうも、鳩森です。
小説、初めて書きます。よろしくお願いします。
今回はプロローグとなっていますので、短めです。次話からはもう少し長めに書くつもりです。
夜になっても、暑いな……。
服のすそをパタパタとあおぎながら、僕は病室の扉から、有り得ないものを見た。
そこには、さっきまではいなかったはずの、ベッドの窓際で空を眺めて、どこか寂しそうな顔をしている美しい少女がいた。
腰まである、ゆるりとカーブした黒髪に、月明かりに照らされた伏せられている紫紺の目。その煌めきに、思わず見とれてしまう。
が、しかし、何よりも特徴的だったのは、その頭に生えた上にひねりながらそびえ立つ、黒曜のような厳かな艶めきを持つ一対の角。
僕がいるのが窓の反射で見えたのか、角を持つ少女は一瞬泣きそうな顔をしたあと、勢いよくばっと僕の方を振り返る。そして今までの沈んだ様子が嘘だったかのように、明るい笑顔で僕に告げたんだ。
「こんばんは! 私は悪魔! 君の魂をもらいに来たんだ!」
それが、僕と彼女が初めて会った瞬間だった。