無敵の人ミミ
ミミは焦っていた。
ゲームでは、本来ならば誰か一人との好感度が上がっていたから。
でも、ミミはあの日以降攻略対象の4人とはすれ違うこともできない。
悪役令嬢たちを見かけても、いつも4人で一緒にいるから怖くて近づけないのだ。
ただただ時間が過ぎてゆくだけ。
授業も集中せず居眠りする毎日で、最初のテストでは最下位ギリギリになってしまった。
勿論、男爵家にも話が行ってしまい、夫人から手紙で叱られた。
男爵もだんだんと優しさが無くなっている。
このままでは勘当される可能性も出てきた。
もう誰でもいいからと婚約者を作ろうと考えたが、今までの破廉恥な行動は噂に尾鰭をつけ、
令息にすら逃げられる始末である。
令嬢たちからは蔑まれ、もはや学園に味方はいない。
「無敵の人」
きっと聞いたことがある方もいるだろう。
そう、何も大切なものが無くなり後先考えずに行動できるヤバい人種だ。
ミミは無敵の人に成ってしまった。
生活態度は著しく悪くなり、目を合わせただけで喧嘩を売る。
授業中には最早教科書すら開かず、机に突っ伏して寝るありさま。
食堂ではガチャガチャと音を立て、道端でぶつかり女として様々な人にぶつかった。
全学年に彼女のうわさが広がり、親へと伝わって男爵家に非難の手紙が届きまくってしまった。
男爵は、ミミを今年いっぱいで退学させることを決めたようだった。
その通告が渡されたミミは、あろうことか怒りの矛先を悪役令嬢たちにむけた。
そんな時だった。
悪役令嬢4人組からのお茶会のお誘いがきたのだ。
ミミは、参加することにした。
「あいつら許さない。 私のハーレムを返せ。 ゲームキャラの分際で。 」
怨念がつのるつのる。
今やヒロインが元々持っていた可愛さはなくなっていた。
悪役令嬢は、強いよ?




