表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/45

公爵令息ルートの悪役令嬢タリアside➃

「タリア、ここにしようか?」


城下町の中心にある小さなカフェ。アンティーク調の木製の扉を開くと、甘くて香ばしい焼き菓子の香りが漂ってきた。ベテアルが扉を押さえ、タリアを優しくエスコートする。


「ええ、とても素敵な雰囲気ですわね。」


席に座ると、窓から差し込む陽光がベテアルの美しい紫の髪を淡く照らした。

彼は長身で上品な佇まいをしているのに、どこか優しげで、穏やかな雰囲気を纏っている。


二人はカフェの看板メニューであるふわふわのショートケーキを頼んだ。

ふんわりとしたスポンジに、甘さ控えめの生クリーム、そして鮮やかな赤い苺が添えられている。


「いただきます。」


ベテアルはフォークを手に取り、ケーキを一口食べた。


「……おいしい。」


素直にこぼれた言葉に、タリアは自然と微笑んだ。


彼の幸せそうな横顔を見ていると、ふと気づく。ベテアルの口元に小さくクリームがついていた。


(あら、可愛らしいわね……)


タリアは軽く息をつき、手を伸ばした。


「ベテアル様、じっとしていて。」


「えっ?」


何が起こるのか分からず、ベテアルは目を瞬かせる。その間に、タリアは迷いなく彼の唇についたクリームを指で拭った。


(……柔らかいわね)


そのまま、何のためらいもなく、指についたクリームを口に含む。


「――っ!!」


ベテアルは息を詰まらせ、紫の瞳を大きく見開いた。


「ん……甘くて、おいしいわね。」


まるで何事もなかったかのように、優雅に微笑むタリア。だが、ベテアルのほうはまったく落ち着いていなかった。


「タ、タリアっ……!?」


耳まで真っ赤になっている。まるで湯気が立ちそうなほど、羞恥に染まった表情。


(なんて純粋なのかしら……)


タリアは心の中でくすりと笑う。可愛らしくて、いじらしくて、そんなベテアルにますます惹かれてしまう。


「どうしたの?」


「いや、あの……っ、そんなことを、当たり前みたいに……!」


「好きな人に積極的になるのは当然でしょう?」


澄ました顔で言うタリアに、ベテアルはさらに言葉を失った。


彼はタリアを見つめながら、心の中で確信する。


(僕は、この人には……きっと敵わない……)


タリアへの想いが、またひとつ深まるのを感じていた。

御姉さまって言いたい感じですね

ひゅう~~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ