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腐食姫  作者: 野中 すず
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2−19 敗走


 サナは洞窟を抜け、山を駆け下っている。一度だけ背後の様子を確認したとき、山頂付近から煙と光が小さく漏れていた。あの洞窟の先の空間にあった、「空が見える大穴」から漏れているらしい。

 

 誰かが火を放ったな!? そんな事で、あいつを退治出来るとでも思ったのか!


 このとき、サナは確信した。

 ロードンが死んだ事を。

 ロードンが生きていたら、こんな暴挙が許される訳がない。


 サナは前のみを見て、走り続けた。

 汗まみれ。

 泥まみれ。

 更に、走りながら枝などで出来た小さな傷だらけの身体で。


 後ろは二度と見ない。

 そんなのは時間の無駄。少しでも前に進むべきだ。


 サナは、振り向かない理由を、そう思いたい。

 本心は違う。


 振り向いて、もしあいつがいたら……


 恐ろしくてたまらなかった。


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