24話:騒動の前触れ
ふふふふふふ。更新しました。
遅くなり申し訳ないです。
今回は少し大変なことが起こるようです。
どうなるのでしょうか?
唐津という村の門の前。
そこに居てならぬモノがいて、居てはならない存在がある。
「小葉・・・・・会いに来ました。わたしの愛おしい小葉・・・・・。」
黄金の髪を持ち、空の色の瞳を持つ少女は愛おしげに村の閉ざされている門を見つめていた。
正確に言うと、その門の内・・・・村の中が見えるかのように愛おしげに見つめている。
そんな少女の傍らには、少女を守る盾のように否、従者のように形の定まっていない陰がいた。
「小葉・・・・・小葉・・・・・・小ノハ・・・・・コノハコノハコノハコノハコノハコノハコノハコノハコノハコノハコノハコノハ。」
狂ったような少女の言葉が声が村の外に響き渡る。
しかし、村の中には聞こえない。
村では収穫祭を祝う音楽、喝采でその『異常』とは遠くかけ離れいてた。
「あぁ・・・・・。今すぐに貴方の元へ_____。」
少女はそういうと、門の前に片手を差し出した。
ギギギギギ_____________ギギ_______パリーーーーーーーン
何かが無理やり破られそして割れる音が遙か遠くで聞こえた。
その音を聴き、少女は小さく微笑んだ。
「なんて脆い結界。こんなもので陣を守っているなんて甘いです。ねぇ、緋石?」
少女は村へと足を踏み出した__________________
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誰かに想いを告げるような笛の音と誰かに自分しか瞳を奪わせないように自らの美しさを見せつける舞い。
そんな『出し物』を見ても、サノは何も言えない。
そもそもその想いを自分に伝えようとしているなんて思ってもいなかったのだ。
「まったく鈍感なヤツじゃのぉ~。」
そんなサノを見て、天羽はため息交じりに呟いた。
しかし、その呟きはサノに聞こえることはなかった。
「こういうとき、芸術に関心があったら何を伝えたいのかわかるんだけどなぁ~。どういう曲で舞いなのかぜんぜんわかんねぇ~。」
「な、なんとそこからなのかのぉ?そもそも、芸術だけに関心があったとしても佐乃助殿にはわかりますまい。」
「あ?なんでだよ??」
やれやれと首を振る天羽にサノは眉を顰めた。
だが、天羽は答えようとはしない。
そんな天羽に文句を言おうとすると、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・パリーーーーーーーーーーン
遠くで遙か遠くで何かが割れる音がしたような気がした。
(な、何?今の???)
「天羽・・・・何か聴こえなかったか?」
「・・・・・。」
不安になって天羽に問うが天羽はこれにも答えない。
「っちょお前いい加減に無視すんなって!」
そう言いサノは天羽を見た。
そして驚いた。
いつの間にかヒト型に変化している天羽が今までに見たことのない表情をしていたのだ。
「あもう?」
「佐乃助殿。いんや樹殿、赤朔殿となによりも小葉殿を連れて『社』へと急ぎなされ。」
サノは心配になり天羽を突くと、天羽は厳しい顔をしてサノに樹に告げた。
行き成りそんなことを言われた樹は驚く。
「っちょ、ちょっと待てよ!どういうことだよ?!」
「わかりましたかや?んでは。」
有無を言う暇もなく、天羽はその場から立ち去ってしまった。
(え?え?なにがあったんだよ?)
不安になるサノに周囲は気づくこともなく舞台でいつの間にか終わっていた『出し物』に喝采をあげていた。
(とにかく、赤朔とコノハを連れて社・・・とりばぁー宅に行かなくちゃな。)
サノは考えるよりまず先に天羽に言われたとおりに行動することにした。
天羽のあの表情を見て、何か大変なことが起こったのであろうと思ったからだ。
サノは走った。舞台の方へと。舞台の裏へと。
ヒトを掻き分けながら、走った。
「っ・・・・コノハ!!赤朔!!!」
走ることが得意なはずなのに息が切れ切れになってしまうほど慌てている自分に驚きながらも、2人を見つけられたことに安心をしながら呼びかけた。
呼ばれた本人たちはサノが突然現れたことと、サノの瞳が不安げに揺れているのを見て息を呑んだ。
「サノ!!!!どうしたの?!」
「どうかしたんすか?!」
赤朔とコノハは慌ててサノに駆け寄った。
そんな2人の手をサノは掴み何も言わずにとりばぁー宅へと走り出した。
「「???!!!」」
2人とも急に手を掴まれ走り出したサノに驚きながらも、何か事情があるのだろうとサノに合わせて走り出した。
ドドーーーーン ドドーーーーーーン ドンドンッカッカカカカッカ ドドーーーーーン
走る3人の背では、楽しげな太鼓の音が鳴り響いてる。
とりばぁー宅に着くとサノは無表情のまま戸を開き2人を押し入れ、そして自分も入った。
中はすでにロウソクが灯っており、まるで火は消していなかったかのように赤々と燃えあがっていた。
「はぁはぁはぁはぁっっっ。」
息切れを起こしているサノにコノハと赤朔は心配気に顔を覗き込んだ。
「大丈夫?サノ??」
「一体何があったんすか?」
心配するコノハと不安げに質問する赤朔に微笑みかけながら、サノは息を整えた。
「な、なんだか、良くないことが・・・・・っおこっているらしいんだ。」
「良くないこと?」
「誰がそんなことを?」
途切れ途切れになりながらサノは答えた。
そのサノの答えに、コノハと赤朔は疑問を投げかける。
「俺にもよくわからない。ただ、何かが割れる音がしてその後に天羽が血相を変えてどこかに行ったんだ。2人をここに連れて行けと言ってな。」
「音?」
「・・・・・。」
赤朔は良く分からないという顔をしながら首を傾げた。
しかし、コノハは何かを考えるように腕を組み、そしてサノを見た。
「聴こえたのは『音』だけ?」
「・・・・・音だけだったが、コノハは何か聴こえたのか?赤朔は?」
「いんや、俺は何も聴こえてないっす。」
「僕は・・・・・・ううん。聞き間違えかもしれないからいいや。」
自信満々に答える赤朔に対しコノハは何かを隠すように微笑みながら答えた。
「コノハ?」
心配になりコノハに呼びかけるが、コノハはただ首を振るだけ。
何でもないよというように。
「っま、大丈夫っすよ!何かあったら俺がサノさんを守りますから!!」
ニッと笑い宣言する赤朔に、コノハがッムとした顔を向けた。
「赤朔よりも僕の方が強いんだけど?僕の方がサノを守るのに適任じゃないの?ううん、僕が守るから安心してね?」
赤朔の宣言を全否定するようにコノハはサノの手を握る。
そんな2人を見ながらサノは情けなくなった。
(なんで私はこんなにも弱くなってるんだろう?心配を掛けさせ、慰められ、守られようとしている。なんて・・・・・なんて貧弱な!!)
このままではいけないと思い2人を見るサノの瞳はもうすでに強く、もう大丈夫だという気持ちさえ読み取れる意思があった。
「おいおい。俺を守る前に自分も守んなきゃ意味ねぇ~よ。だいたい俺が守られるような奴かぁ?逆だろ?俺が2人を何からでも守ってやるよ。」
なっ?というサノに赤朔は無理無理と首を振り、コノハはどこか悲しそうに笑った。
そして_______________________
キャァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
ワァァアア!!!
悲鳴、驚き、そして混沌とした音が3人のもとまで聴こえてきた。
何が起こったのかそれを見ようと窓や戸を開けようにも無理だった。
(開かない!?)
窓や戸は固く閉ざされさも、外へ出ること外を見ることを禁じているように思えた。
「おおい、なんで開かないんだよ!」
「・・・・・・。」
慌てる赤朔に表情を硬くするコノハ。
対象である2人を見て、何故か緊張がほぐれるサノがいた。
そんな3人に声を掛けるヒトもまたどこか穏やかである。
「落ち着きなされ護子よ。」
後ろから掛けられた声にサノたちは驚いた。
声の主はよく知るヒトだったからである。
■□■□■□■□■□■to be continue■□■□■□■□■□■
さてさてさて、一体何が起こっているのやら?
一体どうなってしまうのやら、次回をお待ちください。
できるだけ、早めに更新ができたらと思っておりますが・・・・。
汗●申し訳ありません(先に謝っときます。)
ではまた!