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世界のありかた  作者: 三日坊主
第2章
13/33

11話:村に着きましたが、何か?

 

 ペタペタペタ  ザッザッザ

 

 2つの足音が村に低く響く。


 コソコソコソ ゴニョゴニョゴニョ


 足音の持ち主たちを囲むように、人?の声が囁いていた。

 

 「・・・?なんだ?」


 村の住人どもの様子がおかしい。サノは、村に入ってから約5分経過して気づいた。

 隣を見る。コノハは、何事もないかのようにニコニコしていた。楽しいことでもあったのだろうか?


 しばらく歩く2人。とりばぁー宅に向かう2人。その後に続けとばかりに村人たちが連なる。


 (おかしい。今の時間は、夕食の準備をしているはずなのに・・・なぜだ?)


 パタリ


 足を止めてみる。隣のコノハもそれに習って足を止めた。ついでに、後ろの奴らも足を止めた。


 (待て。まてまてまて。意味わかんねぇーから。)


 サノは、混乱した。頭が、パンクまではいかないが、混乱している。

 

 「おぉ。これはこれは、佐乃助殿。遅かったですのぉ~。」

 

 首を傾げ考えているサノに、前方から声が掛けられた。天羽である。


 「・・・。ッハ!!お前のせいか!!天羽!!」

 「いやはや、何のことやら?」


 つかつかつかっと、天羽に駆け寄り、一発見舞った。見舞ったはずだったが、避けられた。いや、避けたんじゃない。

 天羽は、サノが右ストレートを当てようとした直後、鳥に変化したのだ。


 「お前という奴はぁ~~~~!!」

 「危ないでっせぇ~」

 「自分が、何をしたのかわかっているのか!?」


 こんな会話をすると、たいていが重大なミスをしたかのように思えるだろう。

 だが、違う。確かに、サノとコノハにとっては、重大なことかもしれないが、他の人にとってはどうでもいいことである。


 「ええ、ええ。分かっておるよい。佐乃助殿とそちらのお方がぁ~・・・」

 「羽、むしるからな。」


 ボソっとサノが呟いた言葉に、天羽は身を竦ませた。

 コノハは、いったい何が起こっているのかわかっておらず、ただ、サノと天羽を眺めていた。その視線を送る瞳は、どこか嫉妬を含ませながら。

 そんなコノハの様子に気がつかないサノ。気がついている天羽と愉快な仲間たち(村人)は、微笑ましそうに見ていた。

 

 「あぁん?天羽は、何を笑っていやがるんだぁ?」

 「気のせいですじゃ。」

 「気のせいなわけあるかい!!」

 「とりばぁーのもとへ行くのでは?」

 「行くよ!!行くけどな!!」

 「おやおや、お連れの方がお暇をしておるようですのぉ~」

 「話を逸らすな!!」

 「ふぇっふぇっふぇ。」


 クソっと毒づくサノは、チラリとコノハを見た。

 コノハは、サノからの視線に気づきニコリと笑った。

 

 (~~~~~っかわいいっ!!って、危ない。思わず顔が歪みそうになった。)


 そんなサノに気づいてか天羽は、ふぇっふぇっふぇっとまた楽しそうに笑った。

 サノは、気づいているのだろうか。天羽に遊ばれていることに・・・。


 「ったく。天羽!!村の奴らに言っとけよ!!」

 「へい。」

 「いや待て。何を言うか分かっているよな?」

 「へい。」

 「返事はいいから、言えって。」

 「へい。」

 「あ~も~う~~~~~!!!」

 「ほい。」


 天羽は、間抜けた返事をして飛び立っていった。いや、逃げたのだ。

 天羽が、飛び立つのを見て村人たちも、散らばっていった。


 (いったいあいつらは、何がしたかったんだ!?)


 サノは、気づかない。村人が実は、コノハとの間柄を冷やかそうとしにきていたのを。

 気づいていたら、きっと一人ひとりご丁寧に捕まえて、げんこつを喰らわせていただろう。


 「わ、悪いなコノハ。」

 

 天羽が、逃げてから何故だかコノハとの間の空気が気まずくなり、どうしようかと悩んでいたサノだが、とりあえず謝ることにした。

 もちろん、コノハは首を傾げる。何故謝られたのかが分からないからだ。


 「いや、あの、そのぉ~・・・・・」

 「・・・サノが、何に謝っているかわかんないけど、別にいいよ?」

 「だ、だよな?何に謝っているかわかんねぇよな?って、なんで最後疑問系なんだよ!?」

 「さぁ~?」

 「コノちゃん。何かに怒ってない?」

 「・・・・サノ。怒るよ。」

 「すみませんでした。」


 サノは自分が年上であることを忘れているわけではない。何故か、自然に言葉がでてしまっただけである。


 (・・・イマ、コノハノ()ガ、ヤバカッタ。)

 

 サノがしゃがみ、地面にの『の』の字を書き始めたのを、コノハは、ため息をついて見ていた。

 

 「サノ。どこかに行くんじゃなかったの?何を落ち込んでいるのさ?」

 「別にぃ~。年下の奴に、目で負けたことに対して落ち込んでいるわけじゃないからなぁー。」

 「あーうん。」

 「なんだよその曖昧な返事はぁ!!本当だからな!!」

 「うんうん。」

 「はぁー。これだから子供は・・・。」

 「っで?どこに行くの?」

 「・・・・(スルーされた。嫌味言ったのに、スルーされた!!)とりばぁー宅だよ。」

 「とりばぁー宅って、社のこと?」

 「やしろぉー?うん、まぁそこだ。」

 「サノ、もしかして社知らない?いや、わかんなかったんだね。」

 「気の毒そうな顔をするな!!」

 「じゃぁ、行こうよ?」

 「おぅ!!」

 「・・・。」

 「なんだよ?行き成り黙んなよ!」

 「いや、僕別に行かなくてもいいんじゃないかなぁ~なんて思ったりして。」

 「バカだなぁー。行かなくちゃいけないんだぜぇ?」

 「理由は?」

 「よし、行こう!!」


 (理由なんて、あるわけないじゃん!!あ、一人で、行ったらコノハが、一人になるからって理由でもいいや。)


 サノの頭には、きっとアメーバが住んでいるに違いない。コノハが、サノの考えを聞いたらきっとそう思っただろう。

 

 サノは、動こうとしないコノハの手を引いて、否、腕を掴んでとりばぁー宅へと向かっていった。


.':*.:'*.:,'*;,.:'*":.:'


 【とりばぁー宅】


 囲炉裏のところで、一羽の鳳凰が、羽を休めていた。

 人が見たら、よく羽を燃やさないでいるものだと思うだろう。

 そんな、平凡な空気が流れるほどの社の中。


 「ったく、樹はいったい何をしておるのじゃ?天羽に、遊ばれよって。」


 とりばぁーはそういいながらも、ふふふっと笑っていた。


 「隣におるのが、先ほどの護子かのぉ?こりゃぁ・・・・。言わないほうが仏かのぉ?」

 

 とりばぁーは気づいた。コノハが今は誰にも気づいてほしくないことを。


 「しかしまぁ。気の毒によのぉ。・・・じゃが、樹がこのまま『サノ』として、行動をするのであれば、コノハにとっては嬉しい限りであろうな。」

 

 仕方ない。そう言ってとりばぁーは、こちらに向かってくるサノとコノハを出迎える準備を始めた。


 



 __そして、戸が叩かれた。




 天羽はちゃんと、広めておりました。

サノはどんどん、天羽に遊ばれていっております。

そーいえば、コノハと天羽は会話をしておりませんね。

何故でしょう?

ただコノハが口を開かないだけなのかは・・・うんぬんかんぬん。

イヅレ分かるということで!

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