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僕と彼女  作者: 八柄
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幼少期

これは発展途上の男の人生の一幕である。

実際に自身の身に起きた出来事をゆっくりと辿ってみようと思う。


男は2人で生まれた。父親にそっくりなタレ目の未熟児2人が母親の苦難と共に生まれたのだ。

双子を身篭った妊娠の経験は本人の口からあまり直接聞いたことは無いが相当な身重の経験だったと思う。

...二人の子を見て深い溜め息がこぼれたそうだが。


小さい頃の記憶は曖昧だ。残っている記憶に深い部分だけ抜粋しようと思う。


まずは後頭部流血事件だ。

...僕は両親と共に祖父母の家によく遊びに行っていた。

双子の兄とよく預けられ、面倒を見てもらっていたのだ。

両親は生粋のパチンヵ.........ギャンブラーだった。

家には良くパチンコ遊戯の雑誌まで取り揃えているほど。

現在も付属されているDVDを鑑賞しているのが容易に想像がつくほどに両親は銀の玉を好んでいたのだ。


祖父母の家にあるソファーは背もたれが高かった。正面には大きな画面のTV。

...僕は煙だったのだろう、自分の背丈よりも高い背もたれの上に腰を掛けてTVを観るのが好きだった。


何度危ないと叱られたことか。

その日は20時くらいだったろうか?

とにかくTVが面白かった。

祖父母は危ないと何度も注意をしながらも可愛い孫には強く言えないほど溺愛していた。

普段見慣れた光景になっていたため、さほど気にすることも無くなっていたのだろう。


上機嫌に高い背もたれに腰をかけた保育所年中に上がっていた僕はテレビの中の演者の爆笑に吊られて天井を見上げるように高らかに笑ったのであった。



笑い声が泣き声に変わる。

......高い背もたれのソファーの真後ろ、少し灰色の絨毯を挟んだ先には膝丈の四角い引き出しがあったのだ。

真上を向いて笑った際に背もたれから、

頭から落ちた僕に木目調の引き出しの左角が『サクっ』と刺さったのだ。


自業自得の泣き声と共に絨毯に広がる赤い染み、双子の兄の笑い声が印象的だった。

彼は幼い頃からぐう畜の片鱗を見せていたのだった。



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