PSYとの出会い
それは秋のことだった。
ふとスマホを見る。
「逢いたいな、、、」
今日も私は顔も知らないあなたに恋をする。
キーンコーンカーンコーン…
放課後のチャイムがなった。
私はすぐさま帰る準備をし、誰よりも早く学校をでる。
そう誰よりも早く。そして駅まで歩く。駅に着いたら必ず1番前の車両は避ける。そして4時13分の電車に乗る。電車では必ず音楽を聴く。電車で聞く音楽は嫌いじゃない。むしろ好きだ。冒険などしない。何度も同じ曲をリピートし心地いい音を堪能する。するともう最寄り駅だ。そこからは自転車で帰路に着く。
私はこれをここ最近毎日繰り返してる。
「ただいま」と誰もいない家でつぶやく。
寂しい。
両親は共働きだ。父は今出張中で、母は夜まで働いている。
帰ってくるのは夜の11時。それまで自分は家でひとりだ。
これまでずっとそうだった。そしてこれからも。
家でも学校でもひとり。ひとりが嫌いなわけじゃない。昔はむしろ好きだった。傷なんておわないから。でも他のSNSで「私たちズッ友」「ここのパスタ美味しい」と友達と遊んでいる写真を見ると羨ましく思ってしまう。今はもう友達すらいない私は本当の意味でひとりになったのだと錯覚する時もあった。
だけど最近ハマっているものがある。
Rain shelter。雨宿りという名のアプリだ。
通話もチャットも投稿もできる。Twinterの簡易版のようなものだ。私はここで知らない人と話をする。楽しい。人と話すのはなんて楽しいんだ。このためだけにいつも早く帰ってはアプリを開く。だけどそんな時とある人と出会った。PSYという男の人だ。
基本的には女の人としか話さないようにしている。こうゆうアプリには変な人が多いのも確かだからだ。だけどPSYという人とはなぜか話が続いた。
『今、楽しんでますか?』
彼から返信が来た。
『いいえ。』
『でもPSYさんと話す時が今1番楽しいです。』
と返すとまた返信。
『僕もです。』
『お互い仲良くしましょうね。』
チャットだったらここで会話が終わる人も多いのではないだろうか。でもPSYさんとはなぜか話が続いた。嫌な気はしなかった。
そこからは毎日PSYさんと話す。年齢のこと。今何をしているか。趣味はなんなのか。好きな食べ物はなんなのか。お互い知りたいことを話し合った。だけど楽しいうちは初めだけ話すことは自然と無くなる。
今では『おはよう』『おはよう』『おやすみ』『おやすみ』お互いこれを互いに返すだけ。それでもいいと思ってた。だけどなんだか物足りない感覚もあった。




