1話 始まり
この世界には 悪魔 魔物 妖精 天使 様々な生き物が住み生活している
その中で俺は人間に分類される
性別男 年齢17
俺は今、とある事情で追われている。
追われ着いた先は山の中、行く当てもなくがむしゃらに逃げた結果自分でもどこにいるか分からなくなってしまった。
足がもう動かねえ。
月明りで辛うじて見える近くの木ヨロヨロともたれかかりそのまま座り込む。
足音や物音が聞こえないから近くに追手はいないだろう。
息を整えながら良くここまで逃げられたものだと、自分を称賛する。
懸命に生きてきた結果がこれとは、あんまりじゃないか。世の中、幸 不幸はあるがこれが俺の人生だったと諦めるしかないな。
最後くらい楽しいことを考えよう。そうだな、もし自分に世界を変える力があれば不安や不満のない只々平和なだけの俺だけの俺のための世界を・・・。
「平和な世界ってのはつまらねえが、その世界を変える力、俺がくれてやろうか?」
心臓が止まるかと思うくらいビックリした!!
俯いていた俺は、咄嗟に前を見た。いつの間に居たのか、自分の目の前に、俺を覗き込むような形でしゃがんでいる人が居た。
ガタイの良い、声から察するに男だ。フードを深く被っていて夜のせいで顔は見えない。
「なっ何だ、俺を捕まえに来たのか!?」
「まぁそうなるか」
男はやれやれと言った口調で続けてこう言った
「実はな、後継者を探しているんだ」
「後継者?」
「そう、後継者。でだ、お前は世界を変える力が欲しいんだろ?だから俺がその力をくれてやろうって訳だ」
「言っている意味が分からない。そんな力あるわけないだろ」
この男は何なんだ。瀕死の俺をからかっているのか?
しかも、世界を変える力?俺は声に出した覚えはない。もしかして心が読めるのか?もしくは俺が無意識に出していた?
「あるんだよ。欲しいだろ?それに、お前はこのままだと死ぬんだ。だったら断る理由はないんじゃないか?」
確かに男の言う通り、このまま逃げ切れるとは思えない。魔力も底を尽き、体力も残ってはいない。
かと言って、このよく分からない男の言う事を信じろと?ありえない。
「頑固だな、まあいい。どうせろくな抵抗も出来ないだろう」
「ちょっ、何するんだ!離せ!!」
いきなり男は俺の腕を掴んだかと思うと急に全身が熱くなる。
何だ?この熱さは。体の中心から熱が全身に巡る。熱い!それに、苦しい。熱さで息が出来ない!死ぬ!この男、俺に何をしたんだ!!
「頑張れ、頑張れ。お前の指に指輪をはめさせてもらった。まぁそれが言わいる後継者の証ってやつだ。初めは苦しいだろうが、お前さんなら乗り越えられるさ。」
指を見ると、赤い宝石の指輪が俺の指に収まっていた。その宝石は赤い光を放ち、その光がどんどん大きくなって行くのが分かった。
「今お前は指輪に試されている。世界を変えるだけの力を手にするんだ、その力が膨大なことは分かるよな?今お前に、その力が流れ込んでいる」
意識朦朧の中で、男は説明するが俺はそれ所では無かった。
とにかく、熱い!痛い!苦しい!全身が焼けるような熱さ!細胞から肉から骨全部が熱く汗が止まらない!
全身に力が入る。クタクタだったのに、まだこれだけ力があったのか。どうすればこの痛みから、熱さから解放できるのか。考えるが方法は見つからない。このまま死ぬんだろうか?
俺は意識を手放した。