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夏の終わり

作者: 智鶴

夢を見ていたの

浅はかな幻を

背中を向けた貴方の言葉に

項垂れるように頷いて

惨めな朝から目を背けた


 嘘じゃない

  嘘じゃないよ

   でも

    全部忘れておくれよ

     暑い夏の日の夢だったんだよ


虚な頭で思い出してみるの

暑さも和らぐ夏の夜に見た

少しだけ幸せな

貴方の幻を

あぁ、私

なんて可哀想なのかしら


     貴方に向けた言葉は全て

     朝靄に差す光みたいに

     淡く揺れては弾けて消える

     それがあまりに儚くて

     嘘みたいに美しいから

     何度も何度も繰り返して

     私は枯れてしまったの

     貴方は知っていたかしら

     私の名前を一度でも

     探して泣いてくれたかしら


少しだけでも幸せだったのです

揺れる陽炎みたいに一瞬で

それが遠く最後でも

私はきっと

歪な太陽を愛したのです


明け方

うだる暑さに目を開けていれば

誰かが泣いていたことに気付いたかしら

背を向けたまま眠る貴方に

今日は、さよなら言えるのかしら

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