師匠との日々を邪魔しないでください。
はじめまして。
初めて書いたので、おかしなところ等があるかもしれません。
ご指摘等ありましたら、是非お願いします。
運命なんてものは、幻想か何かかと思っていた。
それでも、あの日起こった出来事は、運命だったと思う。
雪がふる12月のこと。
「おい、君。どこの子だ? 」
風の寒さから逃れるようにごみ箱の隣に座っていた僕に彼女は、話しかける。
「どこの子? どこの子でもないさ。」
同じ言葉を繰り返し鼻で笑った。家なんてものは、僕が5歳のころに燃やされた。
僕に残されたのは、今では薄汚れた服だけだ。
自分の現状を考えると足を抱えている指に力が入る。
「君は、一人なのかい? それは好都合だ。」
優しい声色と真逆の言葉。思わず顔を上げると、きれいなスーツが目に入る。
風に揺れる銀髪は、シルクのように細く眩しかった。
「行く所がないんだろう? なら君は、今日から僕の旦那さんだ!」
凛々しい声が耳をかすめて心地よい。
ん? 今なんて? 先程の言葉を思い出す。
「いやいやいや、僕、女なんだけど⁉ 」
驚きすぎて、今までにない程大きな声が出る。その瞬間、盛大におなかの音が鳴った。
1週間食べてないお腹には、今の声を出す労力は、きつすぎた。
「お腹が空いているのかい?
なら、うちでご飯を食べよう。」
微笑みながら話す男の声には、強制する力があったように感じる。
とりあえず、ご飯を食べてから説得すればいいや。僕は、自分に言い聞かせる。
言葉の強制力に逆らえなかったとかではない。決して、、、、
この後屋敷について、ごちそうを食べた。
女であることは、説明したのだが話を聞いていくうちに何の問題もないと逆に説得された。
今、思えばこれは、世に言う運命の出会いではないか? 顔があかくなる。
説得というよりは、告白、か。頭を振る。
これ以上は、考えないでおこう。
ますます愛が深まっていくこの感情を止めないと、いつか、ストーカーになりそうだ。