↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Riddle 〜魔法師たちのお仕事〜  作者: 小雨路
第5問『頭は魚、身体は動物、でも本当は花。この花なあに?』
PR
64/99

大総統

「大総統……晴ノ国は大統領ですよね。なんか親戚っぽいです!」

「親戚……。ふふ、まあ2大大国さ。似ているところも多少なりともあるだろうよ」


 今までの話と全く違うことを、どこかはしゃいで言うスクナにチナミは小さく噴き出した。

 確かに字面も語感もよく似てはいるが、それでもこの2つを並べて親戚などと言ったのはこの子が初ではないかと。

 表面上は友好関係を取り繕っているが、裏では互いを蹴落とさんばかりの小競り合いを仕掛け合っている2国が親戚。国間の関係について少しでも知識があれば出てこない言葉だ。

 ふふふと先ほどまでとは違う、ただ楽しそうなチナミにほっとしつつもにこにこしているスクナ。穏やかな空気が時計の針音が響く班室に流れる。


「前、ユティーに言ったら鼻で笑われたんですよ」

「それはまあ……災難だったね」

「まったくです!」


 怒ってますよと言わんばかりに頬を膨らませ、デスクの上でこぶしを握るスクナにチナミは苦笑した。

 くるくると表情が変わるところがまだまだ幼いなと思って。

 子どもは小さなことですぐに表情を変える。それがスクナとぴったりと重なって、気分は小さな子を見守るお母さんだ。チナミからの優しいまなざしに、スクナは首を傾げた。しばらくそうした後、チナミはこほんと咳払いをして空気を変えた。


「それはともかくとして、他の国の代表は覚えているかね?」

「はい。雷ノ国が国王、雪ノ国が宗家、曇ノ国が首席ですよね」

「その通りだ。ちなみに、個人名は?」

「えっと、晴ノ国がカヤノ・コガヌマで。雨ノ国が……えっと」

「ユースティリア・リーゼンだ。雷ノ国がホシ・コモレビ、雪ノ国が日比野花鈴で、曇ノ国がアイリッシュ・バクターだ。まあ、せめて雨ノ国くらいは知っていてくれ」

「すみません」


 しょんと肩を落として謝るスクナに、チナミは苦笑する。別に知らなくても困ることはないのだから別にいいのだが。ただ常識が問われるだけで。

 まだまだ幼い見目のスクナが、いつまでも肩を落としているの忍びない。チナミは落ち込んでいるスクナに早々に声をかけた。


「いいんだ。我々『魔法師』としては個人名など重要ではない情報だ」

「でも……」

「遊子の問いに出てくるわけでもなし。君は職名の方はきちんと覚えていただろう。問題なしだ」

「……はい!」


 異世界の住人である遊子が、この世界の政治情勢を謎として出してくるわけはない。

 気にしなくていいよと、申し訳なさそうにチナミを見るスクナにひらひらと手を振る。慰められて、スクナは元気よく返事した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。