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姫の広い部屋から出たばかりなので、ひどく狭く感じる。寝るには十分の広さなのだが。
てっきり、牢屋に入れられると思ったが、灯り取りのない、3畳の部屋に案内された。布団が奥に畳まれており、入り口の左手には飾り棚が一段ある。そこに申し訳程度の蝋燭が置かれている。
薄ら汚れた白壁に三方を囲まれ、何もない部屋ではあるが、牢屋に比べれば申し分ない。
最初に見た、奉公人の長屋の中ほどの一部屋である。
廊下を挟んで部屋が並んでいるので、簡単に逃げる事はできないと踏んでだろう。
もしかすると、姫の計らいかもしれない。初対面にしては随分と心を許してくれたようだ。
布団に横たわった。
今日は、めまぐるしく、色々なことがあり過ぎた。
あらぬ罪に捕らわれ、城に連れて来られ、姫の生贄になるという。
新しい着物に袖を通し、知らない土地、初めて見る王家の者。
何もかもが新しい情報で全方位に気を張っていたのだろう。一人になると、どっと疲れてしまった。
気を抜くと、睡魔で意識が飛びそうになる。
だが、まだ考えなければならないことがある。




