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暁に棲む  作者: 水街 つみき
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軽い気持ちで暮らしを聞いたが、聞いた後に後悔した。そうだ、まともな暮らしなどしている訳がないのだ。

何か罪の理由をつけられるだけのことがないと、連れてこられないのだから。



暮らしを奪ったのは私のせいだ。

私が、こんな体でなければ、彼はここに来る必要が無かった。

申し訳ない。


そう思う。彼と共に暮らしていた子どもたちにも、すまない事をした。親を奪ったようなものだ。

幼子たちが多い様だ。彼らは暮らしていけるものなのだろうか。

一人で生きたことがない為、一人で生き抜くことは、非常に困難なことに思える。


わたしの親代わり、おふさが居なかったら。

明日、居なくなったら。

私は生きていないだろう。それは、精神的にも。


彼は、何を聞いても、可愛がっていた子どもたちの事が真っ先に出る様だ。死ぬ事に対して、自分を救って欲しいような、要求はしない。

死ぬ事が恐ろしくないのだろうか。

いや、そんな人間はいないはずだ。

少なくとも、私がずっと見てきた限りではいなかった。どんなに屈強な男でも、最期には死を恐れてのたうちまわった。正確には記憶が無いので、そう聞いた。

ならば、自分の生き死によりも、子どもたちの安否の方が上なのだろう。


人は所詮一人。とよく言う。結局は死ぬ時など一人で耐えなくてはいけないということだ。


だが、私は我が身可愛さの意味があると思う。

つまるところ、大切なのは自分で、自分がより楽しく過ごす手段として他者がいる。そのために、周りを利用していく。それでも人間関係が成り立つのは、自らの利益と他者の利益が一致しているからだろう。

自分が楽しく過ごすために必要なら人を呼ぶ、呼ばれた人はそこで動くことが楽しい。

そんなことの繰り返しで、つまりは己の為に人の為と言って動いているにすぎない。


そう、思っていた。


だか彼は己の命の危機に面してもなお、子どもたちのことを心配している。自分よりも子どもたちのほうが大切なのだ。それは、本当に子どもたちを愛しているのだ。

そんな彼の話を聞きたい、もっと、たくさん。

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