表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暁に棲む  作者: 水街 つみき
28/45

20.2

「私は、町の裏の片隅に布を張り家のようにして、孤児達と暮らしてました。私も、親が分からない孤児でした。

5歳以上は食べ物を調達するんです。店のいらない食材だったり、手伝いのお礼だったり、もちろん正攻法でです。

決まりとしては5歳以上としてますが、そんな幼子が調達できる可能性は限りなく低いです。


なので、年長者が多く取ってみんなで分けて食べてました。ひもじいことは、ありましたが、それでも楽しい場所だったのです。」


苦労して生きてきたことが伺える話だった。

姫としては、軽く住んでいるところの話をしたかった程度なのだろう。


しかし、返ってきたのは思いもよらない重たい言葉であった。

それもそうだろう。なにせ、罪人として連れて来ることが出来るような者だ。不自由のない暮らしの者が冤罪になど巻き込まれない。


姫は、輝かせていた瞳が、驚き、惑い、陰る。一連の表情を見せた。このまま、返答が出来るのかと、不安に思った頃、


「その、楽しい場所を奪ったのは、私の王なのですね。」

つと、顔を上げ、はっきりと言葉を発した。それは、室内の空気を刺すような、凛とした声だった。

惑いの消えた、しかし苦痛に歪むような、辛そうな顔をしていた。


男は、一瞬の迷いを見せたものの、信念を貫きたいと思ったのだろう。やはり、きりりと顔を上げて言った。

「はい。可愛がっていた子たちがどうなっているのか、ちゃんと食べているのか、今は気がかりでなりません。」

男もまた、子どもたちに触れた途端、心底不安そうな、また憤っているような、苦痛な顔を見せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ