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「ははは。面白い。安心しろ、王に告げたりはしない。そなたが無実と言うのなら私はそれを信じよう。」
高らかに告げると、男は表情を明るくした。
罪が無くなる訳ではない。ただ、言い分を信じると言ったまでだ。
囚われの結果に何も変わりはないのだが、彼は本当に、ただ信じて欲しかっただけのようだ。
なるほど、その気持ちは少しわかる。
たとえ、状況が変わらなかったとしても、自分の気持ちを知っててくれる者がいるのでは大きく違う。
そこに信頼が伴えばそれは、味方とも呼ぶのだろう。
私は、この城、いや、この部屋に囚われている。それは変わることのない事実だ。しかし、おふさのように自身の理解者が側にいるだけで、安心できる。
人間とは結果に生きているのではなく、過程に生きているのだと、つくづく思う。
では、彼の安心材料は、私ということか。
これから、彼は強まる不安の中を生きなければならない。ならば、私がその不安を少しでも和らげられたら、彼はもっと喜ぶのではないか。
ただ、奪うことしか出来ないと思っていたが、私にもできることがありそうだ。
おふさの受け売りだが、同じ時を過ごすなら、少しでも楽しんで欲しい。
楽しんでもらえることが出来たなら、私の存在意義もあるのではないか。そうすれば、私も 楽しい と感じられるのではないか。
時間は長い。その目標が出来た。
ー 1秒でも彼に長く楽しんでもらう。




