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暁に棲む  作者: 水街 つみき
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真っ赤な部屋を見た事があるだろうか。

私はある。

何度も、何度もー。





城に下働として奉公に出されたのは、私が10になる歳だった。

仕事はきついし、責任は重いが、絶対的に無くならない寝床と職がそこにはある。給料も高い。


私の村は、この国の外れにあり、夏は暑すぎ、冬は寒すぎる、食物も取れにくい貧しい土地であった。

そんなところに、あまりにも美味しい話が飛び込んできたため、皆が嘘だと思った。


要件は、よく働くこと、健康であることなど月並みだったが、異様な項目がただ一つ。


「秘密を守り、城で生きて死ぬこと」


城の内部のことを、外に漏らしてはいけない。

中の事を外に出さない、守秘義務は他の奉公先でも聞くことではあるが、これは段が違う。

一度も奉公先から外に出さないで一生を終えさせることは、墓場まで秘密を持って行けということだ。


良い仕事ではあるが、郷里に二度と戻って来れない、親にも会えないことは、皆を怖気付かせた。


さらに、要件として、12歳以下の女と言われた。

子供の方が、秘密を漏らさないように、躾けることが容易いからだ。また、世間に揉まれ、悪知恵がまだ付いていないと思われたのだろう。


候補者は、僅かとなった。そして、ここからが最後の要件である。

残った数人は、試験を課されたのだ。



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