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暁に棲む  作者: 水街 つみき
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城は全体的に白い印象を受ける。厚い白壁に光が反射して、城全体が明るく光っているようだ。

門をくぐれば、正面には白壁造りの城がそびえ立つ。


門から入ると城しか見えないが、裏に回ると下人の平屋が伸びている。城とは対照的に、黒く煤けたような印象だ。つぎはぎにした板は、社会の底に生きる者ほど、その場その場を凌いで生きていることを表しているようだ。


平屋が2棟並び、左右の棟の間をくぐると、さらに四方に建物がある。正面は最初に見たのと同じように平屋があり、左右には平屋とは続かず、独立した小屋がある。

向かって右が湯浴み場で、左が厠のようである。

正面の平屋は、よく見ると半分から左は、馬が飼われている。恐らく、馬小屋の隣の住居は、下働きの者の中でも、もっとも身分の低い者が住まうのだろうと感じた。

常に、馬の嘶きに気を張り、世話をするのだろう。例えば、王の乗る馬であれば、下人よりも価値が上であろう。世話には細心の注意が伴うはずだ。


周囲の見るもの、全てが珍しく、その情報量に圧倒されていた。きょろきょろと、見ていたので、ここまで連れて来た男に軽く小突かれた。


「お前、孤児らしいな。湯浴みなんて、久しくしてねぇだろ。王の計らいに感謝するんだな。

御前に行くかも知れねぇ、しっかり綺麗にしとけよ。」

そう言って、小さな風呂敷を投げて寄越した。

「中には、着物が入っている。それに着替えとけよ。」

男は言いながら、俺を小屋に押し込んだ。


がちゃり。

扉に鍵がかけられた。万が一にでも逃げ出さないためである。用心深いことだ。


先ほど、男は

王の御前に行く可能性を言っていた。

それは、不可思議に思えた。身分の低さでは他と争わない孤児に、ましてや罪人に、王は何の用があるのだろうか。仮に王が望んだとしても、卑しい者が拝顔するなど、周りが許さないだろう。

ならば、なぜ ー。


風呂敷を開けると、絣模様の着物があった。着古しではなく、仕立後のように糊が伸びており、色も鮮やかである。下手すると、案内してくれた男の着物よりも高価に見えた。

無下に扱われることばかり、想像していたからか、予想外の処遇には驚きを隠せない。そして、その意図を訝しんでしまう。


俺は、一体、どうなるのだろうーー。

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