息抜きに魔王討伐(仮)
俺の名は新居等二斗。まぁ異世界で魔王を討伐する仕事をしているんだけど、今ようやく3体目かな。
「そこの冒険者よ。わがアガベルに勝てるとでも思うとうか」
こいつはアガベルっていうゴーレムの種族の中で1番強い奴らしい。だが、アガベルが治めている国では国民の批判が相次いで寄せられていて、その国民の一人が俺に討伐を依頼してきたってわけだ。体は頑丈そうで見た目は強そうな感じだけど、ノロくて話にならない。
「ここで切り込んで、反復ステップでよけてあいつの右フックの時にがら空きになった腹に一撃をかましてと」
どんなもんだ。なんか簡単すぎるゲームだな。これはクソゲー確定と。
「兄ちゃん。やっぱりすげーや。買って1日で3週目クリアするなんて」
横で見ていた弟の育男が満面の笑みで話しかけてきた。ていうかお前いつからいたんだ。今日は学校休みだっけか。
▽ ▽ ▽
因みに俺は高校生だが学校には顔を出していない。理由はとくにない。強いていえばめんどくさいからかな。
「育男、お前学校は?」
「テストで早く帰ってきたんだよ。ちゃんと学校にも行ってるって。ていうより兄ちゃんが偉そうにいえる立場なの」
くそ生意気な弟だな全く。リアルは期待するだけ無駄だと俺はこの16年間でイヤというほど経験済みだからいいんだけど。
「それよりさ、一緒にやろうよさっきのゲーム」
育男は片付け終えたゲーム機を引っ張り出して準備をはじめる。
「仕方ないもう少しだけやるか」
「やったぁ」
ゲーム名サクサク討伐[魔王編]はシリーズ物として出ていて最初は勇者編という勇者をプレイヤーが倒すという、逆の発想が売りのものだったが、ユーザーの低評価が会社に響いたらしく2作目は無難のゲームを作り上げている。
このゲームを簡単に説明すると、ひたすらザコテキを倒してレベルアップそして魔王に挑んで勝つ。そしたらレベルとステークスが初期化され、また魔王を倒しにいく。それの繰り返しだ。
一見シンプルで一回クリアしたら飽きる代物だが、このゲームには知る人ぞ知る秘密がある。
【魔王100体討伐すると異世界に連れて行かれる】
某有名ブログの人が実際に行ったことがあるらしく、非常に信憑性は高いと思われる。ブログの人は怖くなって異世界から現世にもどしてもらったそう。
「育男も手伝ってくれれば兄ちゃん、この作業ゲーもう少し続けていけそう!」
俺は異世界にいくため今も魔王を討伐している。




