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第七話

引き続き、狂気と夢の世界をお楽しみください。

 はぁ、……はぁ、……はぁ、……


 夢中で走ってきたため此処が何処(どこ)なのかも解らない。


「………?」


 ふがしは、何か違和感を感じていた。しかし、其れが何なのかが解らない。


 一体何が、あの少女は、…


 考えが(まと)まらない。解らない。何も解らない。解りたくないだけなのかも知れない。


 呼吸を整え、辺りを見渡す。


「ふがしちゃん!?」


 名を呼ばれ振り返れば其処には


「寝娘ちゃん!」


 刹那、ふがしの顔がパァァ。と晴れる。

 思い切り寝娘に抱き付いた。


「会いたかったよぉぉぉー!!」


「私も会いたかった!無事で良かったぁ…!」


 少ししてからふがしはそっと体を離し、ふと疑問を口にする。


「そう言えば、他の子達は?」


 寝娘は首を振り、応える。


「……柘榴くんが、………」


 その声は泣きそうに震えていた。


「…部屋に隠されてる罠にかかっちゃって、……私達、応急処置はしたんだけど、…………もう、……」


「………そっか、」


 ふがしは優しく寝娘の頭を撫でた。


「其の後、あの女の子が来て、皆で逃げてる途中ではぐれちゃって……二人が何処にいるか解らないわ。」


 ふがしは寝娘の頭を撫で続ける。撫でながら、ぼんやりと思考に(ふけ)っていた。


 あの少女は何なんだろう?

 皆はきっと、あの子が皆を殺したと思ってる。

 ……けど、本当にそうなのかなぁ。


「……ちゃん?…ふがしちゃん?」


 寝娘は心配そうにふがしの顔を覗き込む。


「え?あぁ、大丈夫だよ。」


 にっこりと微笑む。


「出口、探そう?」


「うん、そうだね。」


 二人は歩き出した。


 黙々と歩いていると、また扉を見つける。寝娘は開けるか否か迷っていたが、ふがしは何の躊躇もなくドアを開け中に入った。


「だ、大丈夫なの…?」


「大丈夫大丈夫。ほら、ただの部屋だよ?」


「いやー!!」


 其処は、又も血だらけな部屋だった。


「どうかした?」


「な、なんで、ふがしちゃん平気なの!?こんなの、怖いよ……」


「ん?だって可愛いじゃない」


 部屋を見渡す。一つの棚に手をかけた。


「寝娘ちゃん、此れ何だろう?」


 ふがしは寝娘を呼ぶ。其処にあったのは、何処かの鍵と思われる物だった。


「……鍵?」


「これさ、もしかして出口の鍵かな?」


「かな!じゃあ出口探してみようよ!」


 二人は希望に顔を輝かせ、足取りも軽く部屋を出ていったのであった。

読んでいただきありがとうございます。

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