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闇の中

間が空いたわりに短い…

階段は入り口で見たときよりも暗くはなく、足元もぼんやりとだが見えた。


終わりが無いみたいだ。こんな所に人が・・・?


だが永遠に続くかのように思われた階段が唐突に終わり、そこには鉄で出来た扉がひっそりとあった。


「この先です。こんな所ですが一度見ておいた方が良いでしょう。その後は来なくても良いので。」


「・・・ちなみに私たち呪いを持つ者の所有権は‘主’であるあなたにありますので」

「え・・・」


戒さんの最後の言葉に俺は声を出すが、その声を無視して戒さんは扉に手をかけた。開けたその先には・・・・・・・・・・・


「っ!!」


扉の向こうは階段より明るく(といっても上の部屋と同じように薄暗い)部屋の中を見回せた。6畳ほどの広さで家具らしい物は全く無い。

そして扉と向かい側の壁には、男が2人手足を鎖で繋がれ壁に背を預けるように座っていた。壁に打ち込まれている杭に鎖が繋がっており、腕を上に上げさせられている。足の鎖にの先にはまるで囚人とでもいうかのようにテレビで見るような鉄球があった。

俺が絶句していると戒さんが口を開いた。


「彼らが猫と狼です。こちらから見て左が猫の零斗れいと、右が狼の兇夜きょうやです。」


俺はまだ言葉が出てこない。

2人とも体のあちこちに傷痕があり、服もボロボロだった。下を向いているので顔は見えないが零斗だと言われた人は薄暗い中でも分かる一際暗い漆黒の髪だった。隣の兇夜だと言われた人は黒にほど近いこげ茶の髪だった。ぐったりとしている様は、まるで死んでいるようだった。

戒さんがまた口を開いた。


「ご存知だと思いますが呪いを持つ者はいくつかの形に変化できます。一つは獣そのものへ、二つ目は獣人と呼ばれている半獣化で、これは主に牙や鋭い爪、耳などが生えます。三つ目は体の一部を獣化します。」


静かに話す戒さんの言葉が聞こえてはいるものの、俺はただじっと前の2人を見ていた。


「私達は普通の人とは違う力があります。その中でも特に猫と狼はその力が強いのです。しかし、十二支の話しの通り猫と狼はあまり好かれていません。・・・・‘主’にも」


つまりは、好かれていない、嫌われているからこのような仕打ちを受けているということなのだろうか。

だけど、今の俺はそこまで考えることができない。ただやっと体を動かし一歩足を進めた。


「‘あ「なんで・・・」


俺は戒さんの言葉を遮り、ゆっくり2人に近づいていく。戒さんは後ろから静かに見ている。


「なんで、どうして。早く・・・・早く外して下さい!それから手当てをしないとっ!」


俺は2人に駆け寄り、頬に触れる。その冷たい感触に驚きぱっと手を離した。そして恐る恐る2人が微かに息をしていることを確認しほっとして今度はゆっくりと2人に触れる。2人は触れた瞬間ピクッと反応するが、顔を上げることはなかった。


紅は優しく労るように撫でた。それは紅自身無意識ではあったが、まるで母が子を安心させるようなものだった。


―暖かい・・・こんなに優しく触れるのは誰だろう・・・

―こんなふうに触れられたのは、いつが最後だっただろうか・・・


今は忘れてしまった記憶が微かに思い出される。

その手が自分たちの主のものだと知るのは、もうしばらく後のことだ。




とりあえず、これで登場シーンは終わりです(--;)

これから、話が動きます…

動く…よね。。。

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