悲しい暗闇
とりあえず、暗い…かな。
まだまだ未熟者ですが、頑張ります!
「すみません。彼が無礼を働きました・・・後で罰を与えておきますので」
「えっ、罰って・・・」
後から出てきた戒さんに大丈夫だと言おうとして、その言葉に驚き振り返る。
「‘主’にあんな態度をとったのですから」
「なに、言って・・・俺は、気にしてませんから、だから、そんなこと、しないで下さい。」
俺は掠れそうな声で言った。
罰がどんなものかわからないが、それは辛く苦しいものだろう。あんなことで他人が傷つくなんて嫌だった。それが俺に関係しているのなら尚更。
「・・・‘主’がそう仰るのでしたら」
戒さんはそれだけ言うとまた俺の前を歩き出した。
とりあえずほっと胸をなで下ろして、戒さんの後をついていった。
長く続いた廊下は行き止まりになっていて、目の前には今までとは異なる戸があった。それは黒く何かは分からないが俺を落ち着かせなくさせた。それは扉から感じるものなのか、それとも扉の先にある何かから感じるものなのか。
戒さんが「どうぞ、開けて下さい」と言って横にずれ、俺は戸惑いながらも扉を開けた。
扉の先は部屋ではなく下へと続く階段があり、地下室へと続いているようだった。ようだと思ったのは階段先が薄暗く先が見えないからだ。下からは冷たい空気が流れてきている。
なんだろう、冷たい嫌な空気――恐い・・・とは違う、悲しいような、胸が苦しくなるような?
「この下には今ここにいる残りの呪いを持つ者がいます。・・・・・猫と狼です。」
「猫と狼・・・。」
戒さんは暗い階段の向こうを見つめているので表情はわからない。
猫と狼・・・・その話は遥か昔、神様が動物達に宴会を開くと言った。
子は猫に宴会は他の日になったと嘘を教えた。当日子は丑の上に乗り、見事一番乗り。その後、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の順に着いた。
他の日だと教えられた猫は来なかった。そして猫の他にもう一匹。誰にも、そう神様にさえも呼ばれなかった動物・・・狼も来なかった。
いつも一人で乱暴者と言われた狼は神様にさえ嫌われていた。
宴会は夜が明けるまで続いた。
嘘を教えられた猫とあることさえ知らなかった狼・・・・・・・
――悲しいのはどっちなんだろう・・・・・・・
「では、行きましょう」
戒さんが先に降りていき、俺も恐る恐る後に続き降りていく。
悲しい暗闇へと・・・・
音が聞こえないはずの暗闇に 誰かが泣いている声がする
それはただの風の音なのか それとも・・・
短いですが…
なかなか話が進まない…(´;ω;`)