表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2話

球体に手を置いて“草原”というワードを言う。眩い光が白い空間にほとばしる、俺は目を閉じる、その間約2秒。


目を開けた、そこには一面の短めの草が生えた草原。遠く遠く、地平線の彼方まで見通せ流ほどの草原だった。多分方角がわからなくなり大変なことになりそうだ。


天気は快晴、太陽は…のぼってる。


「とりあえず、辺りを散策しましょ、モンスターも出てくるからきをつけて。」


ルクエが言う、一応パートナーとしては頼りになるっぽい。


「わかった。」

武器を抜刀する、槍だがな。錆びているが一応武器にはなりそうだ、っていうよりも草原に出てくるモンスターは弱いみたいだからなんとかなるかもしれない。


「あ、話をしているうちにモンスターがやってきた、スライムだから戦闘訓練だと思って戦って見て、」


ルクエが1mほど先の草を指差して言う、よく見ると小さい水色の液体のような、固形のような、なんとも言えない物体がこちらにズルズルと近寄ってくる。恐怖感はあまりない、というよりも早く攻撃したい自分が心の中に居てウズウズしている。


「頑張れマスター、スライムなんかに負けんな!」

「おうよ!」


俺にとっての初戦、負けられない、いやこんな弱っちそうな相手に負けたくない。

俺は接近してきたスライムを突いた。


ジャクッ!


手応えは無い、液体に攻撃してる感覚はなんとも言えない、2度、3度と突きにかかる、反撃は…こない、ずっと俺のターンだ。それにしてもこの武器、無駄に軽い、中身スカスカかもしれない。


ジャク!ジャク!ジャク!


それから7回くらい突いただろうか、スライムは淡い光となって消えた。俺はノーダメージで問題無いが、倒す時間がかかりすぎな気がする。某RPGで木の棒もった子供が2回殴ったくらいで死ぬスライムもいるっているのに、この武器が悪いのか、それとも腕力がその子供以下ってことなのか…。

「お疲れ様、悪くない動きだったよ。」

ルクエから労いの言葉、手伝ってくれてもよかったはずだ、なぜてつだってくれなかったのか、良いパートナーというのは撤回しよう。

そう思えば、まだスキルを使ってない、今度敵がいたら使ってみよう。


「休んでる暇は無いよ、次が来た、次の相手もスライムよ。」


またスライムが出た、今度はスキルを使う、たしか掲示板で部屋でスキルを使って大変なことになったらしい、使い方は対象選択とキーワードのようだ。


《クイック!!》


スライムを対象にスキルを使う。

何も起きない、否、スライムが加速してこっちに向かってくる。スキルの効果がわかった気がする


《バーン!!》


ルクエのスキルなのだろう、火の玉がスライムに飛んで行く、直撃しスライムは燃え上がる。およそ5秒後、スライムは天に召された。あっさり戦闘が終了した。


「攻撃スキルって強いんだな…」

俺はまだ燃えているスライムの下に生えていた燃えている草を見ながらルクエに言う。

「スライムって物理攻撃が効きにくい相手って言うの忘れてた、ごめんね」

「忘れてたら仕方ないけど…」

何しろスライムはルクエのスキルに頼れば楽勝ということで。

「じゃあ、この周りにいるスライム共をその強いスキルで早く蹴散らしてよ。」

「無理、スキルを一回使うとクールタイムが来る、だいたい初期の火魔術のクールタイムは20秒くらい。」

「マジか…」


そんな会話をしているうちにワラワラと8方向からスライムが接近してくる、数にして前に4匹、後ろに5匹の約9匹くらいか、かなり多い。


「俺は前の4匹を相手にしてからそっちに行くからスキルを使って後ろのスライムはなんとかして!」

「わかったわ。くれぐれも死なないようにガンバっ!」


俺は後ろで戦闘態勢に入っているルクエに声をかけてから敵どもを見る、なんとかしないとダメだ、自分に《クイック》を施し各個撃破を狙う、体が軽いので多少の無理もできそうだ。

一番近くにいるスライムをターゲットにし、一心不乱に乱れ突きをする。一匹あたり約9回突けばスライムは倒せる、それが約13〜15秒、1分もしないうちに自分の分のスライムは倒した。後はルクエの方だ。残り2匹、俺は気力を振り絞って速攻で蹴散らした。


「逃げながら見てたけど、なかなか動きが良かったよ、これならもしかすると良いかもしれない。」

「何が良いんだ?」

「秘密」


周りに敵がいないことを確認して休憩していた、休憩したらすぐに出発だ、疲れはあんまり出てない。


散策を再開した。不思議とスライムしかいないが、俺とルクエが協力すればなんとかなるもんだ。


「あっ!宝箱発見」

「おお、本当だ。ちょっと開けてくる。」


そそくさと俺は宝箱に近づく、なぜか宝箱に近づかないルクエに不安を覚えたが、とりあえず宝箱を開ける。杞憂は当たった。


カチッ!ドーーーン!!!!!


響き渡る爆音、飛び散る鮮血、俺は宝箱の前で倒れた。体が動かないが死んでは無いようだ、慌てて薬草を道具袋から出そうとするが手が動かせない。金縛りにあってる時と似ている状況だ。ルクエが無言でやってくる。


回復してくれるのかと期待したが、なぜか道具袋から薬草と金を引き抜いき、終いには武器と盾も諸共ルクエ自信の道具袋に入れた、俺の所持品は今着ている爆発でボロボロの布の服くらいだ。


「ごねんね、私をパートナーとして呼んだのが悪いのよ、ではさらば。」


ルクエが半笑いで言って羽っぽいアイテムを取り出し空に掲げた。そしてルクエは消えて行った、


一人残された俺は体が動かせない、死ぬのを待つだけだ。いっそ早く殺してほしい。スライムが来ることを願って俺は目をつぶった。心身ともに限界だ。情況がよくわからないが死に戻りするから別にいいだろう。ルクエには後で問い詰めることにする。

這いずる音が聞こえる。


起きたらPC以外何もない真っ白い部屋だった。体は動く、動くのが辛いがPCを見る。


1.ステータス

2.売買

3.BBS

4.戦績

5.履歴

6.アイテム解析


項目が増えている、パートナーの項目が消えているが、まずは戦績を見る、レベルアップとかなのだろうか。


『戦闘結果は既に取得済みです。』


そんな表示がでた。よくわからないから履歴を見る、二件の履歴があった、一つは戦績、二つめは売買。

まずは戦績をクリックする



戦績


場所:草原

取得経験値:24

取得金:48G


取得済み


取得したっていうか、持ち金ゼロだし…

続いて売買をチェック


買い


・パートナー離脱券


計:150000G


売り


・錆びた槍

・錆びた小盾

・薬草x5

・ベッド

・デスク

・ノートパソコン

・テレビ

・エアコン etc.


計168960G


いくらこの情況に呆然としている鈍い俺でも、わかることが2つある。


1.ルクエに裏切られた。

2.部屋の物全部売られた。

3.無一文&服一枚

現実はこれだけでいいだろう、いや、十分すぎる仕打ちだ。これから俺はどうすればいいのか、武器もなくなった、金もない。とりあえず提示版を使って助力を求める。スレ立ては初めてだ。


★☆★☆★☆



パートナーに持ち金&アイテムを全て売られて逃げられてしまった件


★☆★☆★☆



1 名前:権兵衛さん

どうしよう、スレタイ通りだけど。


2 名前:権兵衛さん

一体何したんだよwwwww嫌われたかwwwww


3 名前:権兵衛さん

わからん、俺はなんにもしてない、ダンジョンで死に戻りしたら、部屋のベットとかテレビとか全て売られて真っ白だった…パートナーも消えた。


4 名前:権兵衛さん

同情しかできないな、俺はなんにもできないけど頑張れ!


5 名前:権兵衛さん

>>1

なんだったら俺のスパルタパートナーを渡そうか、そうなれば、おっとこっちに来た、とにかく頑張れ


6 名前:権兵衛さん

>>1

ザマァwwwwwと言いたいとこだけどそれは同情する


7 名前:1

1だけど、みんなありがとう、おれはどうしたらいいと思う?


8 名前:権兵衛さん

とりあえず武器が必要だな、素手でもいいからスライムを倒して金稼ぐしかないな。


9 名前:1

やっぱり武器か…どっちにしろ金ないから、スライムと肉弾戦か…ありがとう


10 名前:権兵衛さん

礼には及ばん、吉報期待しとくぞ。


★☆★☆★☆


とりあえず一服、背伸びをして売買を使う。ちなみに錆びた槍でも1400Gするようだ。重い腰を上げて部屋から出て草原に転移する。

ムシャクシャしてきた、自分にクイックを施し手当たり次第スライムに八つ当たりをする、素手だと時間がかかるが、なんとかなる。途中、棒切れを手に入れて素手よりは戦闘が楽になった。


何十体か倒したところだろうか、宝箱が見えてきた。宝箱の周りの草は焦げている、因縁の場所だ。宝箱は空いている、中身を確認すると一つの腕輪。なんだかよくわからない、一応帰還する。

帰還の仕方は楽ではなかった、スライムに自分の脳を溶かされるだけだ。持ち金0だから別に二分の一でもいいだろう。

痛みが半端ない、いっそ舌でも噛みちぎった方が良いと思うような痛みだったが割と早く失神して自分の部屋っていう、とてもクレイジーな帰還だ。誰かがこの光景をみたら同情してくれるだろうか。


PCを使って戦闘結果をみる


戦績


場所:草原

取得経験値:150

取得金:302


レアアイテム

・???の腕輪【呪】


レベルアップしました。各能力アップ!


レベルが上がったようだ。これで楽になりそうだ。しかしレアアイテムが気になりすぎる。呪われてるっぽいし、???だし。


提示番には装備しないとわからない的なこと書いてあって、装備したくなる。ええい、この際どうにでも慣れ。


カポッ


装備した。ネットのアイテム解析を使って腕輪の説明を見る。


重力の腕輪【呪】


効果

1モンスターを引き寄せる【中】

2重力を操れる【中】


呪い効果

モンスターポップ率UP【超特大】

経験値減少【大】


ぶっとんだ地雷アイテムだった。


名前:ジラーフ

性別:男

持ち金:302G

レベル:lv3

職業:槍使い


職業スキル


槍術:lv1

小盾術:lv1

風魔術:lv3

棒術:lv4


スキル


クイックlv4

かまいたちlv1【NEW】


装備

武器:木の棒

盾 :

鎧 :ボロボロの服

装飾:重力の腕輪【呪】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ