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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
アディラの戦い 3
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アディラの戦い 10

 現場に行くと、腹の調子が悪そうにしている兵士がいっぱいいた。

 腹を押さえた兵士たちが、簡易トイレに並んでいる。

「毒ってわけでもなさそうだけど……」

 シチューの入っていた鍋は空っぽになっていた。鍋の底にへばりついていたシチューを指ですくい、舐めてみると、アディラはそれを飲み込んだ。

「これ……下剤だ……」

 下剤ならば命に別状はない。腹が痛くなるだけの事である。だが、いままでの生活で体力が落ち切った兵士たちに、こんな薬を飲ませて大丈夫なのだろうか? と思うアディラ。

 ふと、アディラは、鳥の姿を見つけた。

 魔法の力を使って作られた、青く光る鳥である。アディラは、その鳥に向けて矢を放った。

「ちっ……外れたか……」

 どうせ、グラセランドの魔術師は、その鳥を使って自分たちの様子を見ているのだろう。

 まんまと罠にはまって、トイレに並んでいるところなんて、完全に醜態だ。見られるのは、特に気に入らない事である。

 魔法で作られた鳥は、それから、飛び去っていく。


 夜になると、兵士達は久しぶりに屋根のある場所で、全員が寝ることができた。昼間には、下剤入りのシチューを食わされて痛い思いをした者も多い。

「こんなんで勝てるのか……?」

 今更ながらに、そう思い始めるアディラ。

「勝てないな……どう考えても、一度本国に撤退をするべきだ」

 テントの外から、そう声が聞こえた。

「入るぞ……」

 そう言い、幕を上げて入って来たのはファラリスだった。

「なあ、お願いがあるんだ……」

 ファラリスは、震えた声で言った。

 アディラは、その声に固唾を飲んだ。このような夜更けになって、お願いをしてくるとは一体何であろうか? アディラがそう考えると、ファラリスは懐からトランプを取り出した。

「ポーカーで勝負をしないか?」

 拍子抜けしたアディラだったが、それに頷いた。

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