ラディンとフルータの戦場 13
「おい、ラディン! いい話が入ったぞ!」
フルータは、駐屯地に戻るなりラディンを探した。ラディンの使っているテントにまで行き、カーテンを開きながらそう言う。
「いい話って何だ?」
ラディンは、レクステとチェスをしているところだった。
レクステとラディンは、同時にフルータの事を見上げる。
「外に食材を探しに行ったら、敵の偵察と会ったんだけど……」
その話から始まり、フルータは、その相手の事を話し始めた。
「敵の隊長の娘と幼馴染ね……」
「やっぱり重要なのはそこだよな」
フルータの話を聞き、一番にそう言ったラディン。
「作戦会議をする、レクステは出て行け」
「なんだと! 作戦会議をするから出て行けとは、どういう事だ!」
ラディンに食ってかかるレクステ。
「バカが会議に入ると混乱する。結果くらいは伝えてやるから、今は大人しくしていろ」
「な! ん! だ! と!」
そう言って、ラディンに飛びかかっていったレクステだが、サリルとレイティがそれを止めに入った。
「まあまあ、この二人 の考えることについていけると思えないし……」
サリルが言う。
「まあ、君ならついてこれるだろうけど?」
フルータが言うが、サリルはこの話し合いに加わる気は、毛頭ないようだ。
「二人のゲスな会話に付き合うのは、私の精神衛生上、まことによろしくないんですの」
笑顔のままで、そう毒を吐いたサリル。
「元から腹黒ぶりっ子とか言われているしな、森の中にでも行って、少しは綺麗な心を培ってくるのがいいだろうね」
「腹黒ぶりっ子って、いったい誰が言っていたんですか?」
フルータの言葉に、サリルが聞き返した。フルータはニヤリと笑って答える。
「レイティだ」
フルータが言うと、サリルは驚いてレイティの事を見た。レイティは、それを見て、ニヤニヤと笑っている。
「こら! 私を無視するな!」
レクステがそう言うものの、二人はその言葉を無視して先に歩いていった。
アディセは、まだ残っていた。
「アディセ……お前もだ……」
「いえ……私は……お紅茶でもお淹れします」
ラディンがいうのだが、アディセが言う。
「まあ、そういう事なら、おねがいしようかな」
フルータが言う。アディセはそれを聞くと、立ち上がった。
「男ふたりが、一緒に密室でふたりっきりになるなんて、なんていいシチュエーションなんでしょうか? これは間違いが起こってもおかしく……」
アディセがそこまで言うと、ラディンとフルータの二人は、背中に怖気が走るのを感じた。
「やっぱり、今すぐここから出ろ! 紅茶も淹れんでいい!」
ふたりは同時にそう言い、アディセの事をテントから放り出した。




