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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
ラディンとフルータの戦場 2
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ラディンとフルータの戦場 13

「おい、ラディン! いい話が入ったぞ!」

 フルータは、駐屯地に戻るなりラディンを探した。ラディンの使っているテントにまで行き、カーテンを開きながらそう言う。

「いい話って何だ?」

 ラディンは、レクステとチェスをしているところだった。

 レクステとラディンは、同時にフルータの事を見上げる。

「外に食材を探しに行ったら、敵の偵察と会ったんだけど……」

 その話から始まり、フルータは、その相手の事を話し始めた。

「敵の隊長の娘と幼馴染ね……」

「やっぱり重要なのはそこだよな」

 フルータの話を聞き、一番にそう言ったラディン。

「作戦会議をする、レクステは出て行け」

「なんだと! 作戦会議をするから出て行けとは、どういう事だ!」

 ラディンに食ってかかるレクステ。

「バカが会議に入ると混乱する。結果くらいは伝えてやるから、今は大人しくしていろ」

「な! ん! だ! と!」

 そう言って、ラディンに飛びかかっていったレクステだが、サリルとレイティがそれを止めに入った。 

「まあまあ、この二人 の考えることについていけると思えないし……」

 サリルが言う。

「まあ、君ならついてこれるだろうけど?」

 フルータが言うが、サリルはこの話し合いに加わる気は、毛頭ないようだ。

「二人のゲスな会話に付き合うのは、私の精神衛生上、まことによろしくないんですの」

 笑顔のままで、そう毒を吐いたサリル。

「元から腹黒ぶりっ子とか言われているしな、森の中にでも行って、少しは綺麗な心を培ってくるのがいいだろうね」

「腹黒ぶりっ子って、いったい誰が言っていたんですか?」

 フルータの言葉に、サリルが聞き返した。フルータはニヤリと笑って答える。

「レイティだ」

 フルータが言うと、サリルは驚いてレイティの事を見た。レイティは、それを見て、ニヤニヤと笑っている。

「こら! 私を無視するな!」

 レクステがそう言うものの、二人はその言葉を無視して先に歩いていった。

 アディセは、まだ残っていた。

「アディセ……お前もだ……」

「いえ……私は……お紅茶でもお淹れします」

 ラディンがいうのだが、アディセが言う。

「まあ、そういう事なら、おねがいしようかな」

 フルータが言う。アディセはそれを聞くと、立ち上がった。

「男ふたりが、一緒に密室でふたりっきりになるなんて、なんていいシチュエーションなんでしょうか? これは間違いが起こってもおかしく……」

 アディセがそこまで言うと、ラディンとフルータの二人は、背中に怖気が走るのを感じた。

「やっぱり、今すぐここから出ろ! 紅茶も淹れんでいい!」

 ふたりは同時にそう言い、アディセの事をテントから放り出した。

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