ラディンとフルータの戦場 6
「これから俺たちは戦う者なんだ、食事の管理を上手くしないと、上手く動くことができない。体を動かすには炭水化物に糖質などの栄養素が必要だが……」
そこで、言葉を止めるラディン。
「意味を理解していないだろう……お前……」
キョトンとしていた顔のレクステを見る。
「な……なんだ! 私をバカにしているのか!? お前の言った言葉はだいたい理解している!」
「ほう……」と、疑いの眼差しで、レクステを見つめるラディン。
「あれだ、医食同源という奴だ。バランスよくいいものを食べないと、強くなれないという事だろう?」
「まあ、だいたい正解だ」
いくつか理解の足りないところがあるにしても、そこまで理解できていれば十分。
「そんな糖質と脂質の塊みたいなものを食うと、体に脂肪がたまるって事だ」
「し……脂肪が……」
そう言うと、レクステはクッキーを見つめた。そして、袋の中にクッキーをしまう。
「そうそう。健全な体になって割れた腹筋を手に入れたいだろう?」
「そ……そこまでの体は欲しくない!」
そうラディンが言うと、ラディンは面倒そうにして寝転んだ。
「まだ寝足りないな……もうお前は出て行け。俺は寝る」
そう言い、布団をかぶったラディンを見て、レクステは、「ふん……」と、鼻を鳴らしてその場を去っていった。
「なんで、こんな事しているんですか?」
フルータが部隊の朝食を作っているところ、他の炊事兵がやってきた。
「何の事を言っているんだい?」
朝のポトフを作り終えたフルータ。中のスープを味見し、ているところだった。
「こんな朝早くから仕事をしている事ですよ。朝食なんて、保存食のパンとチーズで十分なのに……」
「やっぱり、食事に関する意識はそんな感じのレベルか……」
食事の大切さが分かっていない。戦う者は、一般人と違い、食事にも気を配らないといけない。
「いいかい? 食事というのは体をつくる大事な事なんだ。炭水化物とビタミンミネラルはもちろん、タンパク質に脂質など……」
フルータがそこまで言ったところで、周囲の視線が冷たくなっているのに気づく。
『オタクだ……』『やな奴が入ってきたな……』
などと、ヒソヒソ話しているのが聞こえてくる。
「やっぱり何を言っても無駄そうだな……」
そう言い、フルータはポトフの鍋に向かう。
「とにかく、メニューはボクに一任をされているんだ。ポトフをお皿に盛って、パンと一緒に出して。いいね……?」
フルータは炊事兵たちにそう指示を出し、朝食の時間を舞台全体に教えるために鐘を鳴らした。




