ラディンとフルータの戦場 5
「なんだあの女は……私は、ああいう奴が一番嫌いだ」
「そうだろうと思ったよ」
サリルがいなくなった後、レクステはラディンのテントに残った。あれから、レクステの愚痴を聞かされたラディン。
『気持ちよく朝日を浴びていたら、嫌味な奴に出会った』とか、『前線に飛ばされた事で、まだ腐っているのか?』とか、『ああいう不謹慎でハレンチな女は、私は一番嫌いなのだ』とか、ラディンにとってはどうでもいい事ばかりを話したレクステ。
確かに、ああいうタイプはレクステの嫌いなところだろう。前線にやってきてまで、あんな奴に会う事になるとは思わなかった。
「そりゃ、頭のいいやつが前線なんかに来たがるはずがないからな……」
口からそう声が漏れるラディン。
「なんだ? 私の事をまたバカにしているのか?」
「お前、いつもそればっかだな……」
そうラディンが答えると、返事も面倒とばかりに布団に体重を預けた。
「なんか、いい匂いがするな……」
鼻を鳴らしながら、匂いの出どころを探すレクステ。
「お前は犬か……」
そう言い、ラディンはさっきサリルから受け取った袋を出した。
「この匂いはクッキーか? こんなところでこんなものにありつけようとは!」
よだれを垂らさんばかりに口を開いていたレクステ。
「食ってもいいぞ」
ラディンがそう言うと、素早く袋をひったくり、中のクッキーを取り出した。
「言っておくが、それを作ったのは、お前の嫌っているサリルだぞ」
ラディンがそう言うと、取り出したクッキーを睨みつけたレクステ。サリルの作ったものと思うと、抵抗があるようだ。
じーっ……とクッキーの事を見つめると、レクステはそれを口にした。
「まあ、クッキーに罪はないからな……」
「餌付けされとる……」
ラディンは、レクステを見て、そう言う。
「餌付けなんかじゃない。お前は食わないのか?」
ラディンは、レクステが取り出してきたクッキーを渡そうとしてきた。ラディンは、そのクッキーに手を出して止める。
「食事はしっかり管理しているんだ。ジャンクフードは食わん」
「なんだそれは? 食事の管理?」
レクステがそう言うと、ラディンは話しだした。




