1.5話:殺人鬼の夜
光がない暗い道…あるとすれば月の明かりだけ…
そんな中小学生の女の子が歩いている
なぜこの女の子が外を出歩いているかというと母親のためだった。
風邪をひいた母親のために幼い少女は風邪薬を買うため夜に出歩いていたのだ
そして暗い道を歩く中
気配と足音を殺しその少女に近づく者がいた
彼は歩いているのを見つけるとすぐに背後からナイフを刺し声を出されない様に喉を潰しそれから自由に切り刻む
たった数秒の出来事だが彼にとってはかなり充実した時間だった
「……」
終わった後はある方法を使い完全に死体を始末する
「噂で誰も外にうろつかないけど…例外はある。この子みたいな例外が…」
彼は女の子のバラバラになったが頭だけを拾い自分の頭に触れる
「ふうん…風邪をひいたお母さんのため…か。今時良い子だね、けど残念だけど君はお母さんとはもう話せない。君だけはお母さんを見る事が出来るけどね。…声が枯れるほど何度も叫んでもお母さんは気づかないだろうけどね。だけど君はここで死ななくても三日後に母が病気で亡くなり身内に引き取られそこで虐待に会い悲しみ自殺をする…何度助けを求めても誰も助けてくれないままね。そして虐待の事実は隠されたまま事故として扱われる、だったら今死んだ方が良かったはずだ」
そう言って頭もバラバラにして立ち去る
彼にも物心がつく幼い時から幽霊が見えた
彼は生まれが特別で幼い頃から両親を亡くしていた
だが両親は亡くなる前に彼に人を殺す技術を教えていた
そして彼はナイフに興味を持ち始める
最初は適当な物
次は虫
次は動物
だが彼は命を大切に想っていた
けれど彼は苦しんでいる物を殺す人間になってしまう
きっかけは両親と事故に遭ってしまい父と母はボロボロになった体で奇跡的に生きてしまい軽傷で済んだ子供に殺してくれとせがむ
子供は両親が苦しむのをこれ以上見たくなかった…その思いで両親を殺す
そしてその時彼には完全ではないがある能力も目覚めてしまった
未来を予知する能力と自分が殺した者の過去を読み取る力
彼の未来予知はこれから先不幸しか待っていない者、自殺する者を殺人鬼に見せる
そして殺人鬼はその者達を殺した
「夜はまだまだ…太陽はまだ街を照らさない…」
周りが更に暗くなる街には光がなくなっていた