詩パック「断罪行軍」「あなたは空となるのだから」『密林」「1975年10月17日」
どうも一作品では文字数が足りなかったので、パックにしてみました。
○断罪行軍
我々は行軍している。森の中を踏破している。
我々の足は草のつると、根と、他のあらゆる森の堆積物を感じている。
そうしながら森の暗闇を分け入っていく。
我々は動いている。
我々は我々を前へと進めていく。
「我々はここを踏破できているだろうか?」
誰もそのことは言わない。
身動きが取れなくなることは、地獄の中にいるようなものだ。
我々の足は硬い。
我々の足は重い。
いつからこうなったのだろう?
○あなたは空となるのだから
あなたがここの「空」であろうとすることはわかった。
この広がる地平を見続けることになる空に。
ならば老婆心で忠告させてください。
あなたがどのような道を歩もうとも、
あなたはその道を対象化、客観視しなくてはならない。
あなたはその道に損なわれてはいけない。
あなたはあなたであり続けなくてはならない。
あなたでなくするようにする道ならば、Bullshit、クソです。
大いなる母のような顔をした、あの空に飲み込まれないで下さい。
あなたはあなたの空を作ってください。
一匹の鳥は思うのです。
○密林
我々は草のつるの間をすり抜けていかねばならない。
空中に浮かぶたくさんの草のつる、樹のつるのアラベスク……
隙間をすり抜けていくのだ、生まれたときから。
……いや、取り込まれてもよいのだけれど。
○1975年10月17日
とん、とその石版を手で突き放し、まず1mの距離をとる。
幸せになるために。