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森の中の穏やかな光

サブタイトルを付けるとしたら

「nature ruin」ってところでしょうか



森の中となってしまった街である。

その巨石には一面に苔が生えている。

その苔のパッケージングにささやかな光が降り注ぐ。

しかしそれは特別なことではない。一週間に3、4回必ず繰り返されていること。

森は一つの生命である。

全体を包括する一つの得体の知れない何かである。

そのなかに樹とたわむれる風と鳥があり、堆積と滋養とを繰り返す土壌がある。

この街もその一つ、パーツの一つ。

でも街はそのことを嫌がってはいない。

ゆったりと時を眺めてみよう。

街は森の中でひなたぼっこをしていた。

幾千もの大樹やつるや影に囲まれ、天井には青空のふたがある。

あと十年くらいしたら、この巨石も砕けるだろうか。小さなひびが、やや目立つ。

石柱のふもとには一匹の獣がいる。

黒い毛に包まれたそれは、今はただ寝ている。

顔を前足にうずめ、石柱のもとに一匹で居る。

その石柱に寄りかかるように、強い日差しが降り注ぐ。

獣はそれを感じ、光源を一度ちらっと見て、再びうつぶせになる。

ちょうど獣の今の状態の高さまで、草が並んで生えている。

石柱を見上げている。

その草は、やがてつるとなって柱に巻きついていくのだろうか。

それらは連続の一部。

過去から未来へ悪夢のように、

怪物のように連続していく、

流れの一部。

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