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こんな簡単で良いのか?(仮題)

 中学も最上位になり男には受験が控えていた。なのにも関わらず受験前だというのにプラプラと遊びまくっていた。家でゆっくりしていると母親からは親同士聞いたのか他の子供の成績の話ばかりされ受験勉強をしていないのはお前だけだとまた口うるさく怒鳴り始める。

 説教に飽き飽きとしたのか男は何の目的もなく外へと飛び出していった。

男は馬鹿ではないが、やる事もやらないのでは成績が落ちるのは必然だった。それでも成績は常に真ん中より上をキープしていた。

 受験当日、家に近いからという本音を隠して男は試験に臨む、面接を終え廊下に出ると女の子二人組がいた。片方の子と目が合いふと足が止まる。小学校の時好きであった子だった。さり気なく手を振っていたので、ぎこちなく手を振り返し、簡単な話を終え帰宅した。その道中あの子と一緒かラッキーなんて考えてたりしていたが、その願望は現実により夢のまた夢となった。

 男は試験に失敗し私立高への道を辿る事となり女の子所では無くなった。


***


「やっちまったが仕方ない、勉強は苦手なんだ、今でもな…。」


 男はうつむきうなだれる、悪い夢であったかの様に。それでも立ち直り直ぐに陽気なテンションとなって側にいる男を慰める。


「落ち込んだ顔すんなって、悪いことばかりじゃなかったんだからさ…。」


***


 好きだった女の子の事が頭から離れて三年が経ち、夜遅くになり男は何とか終電に間に合い、帰りの駅のホームの自転車置き場へと向かって行った。

疲れた体で階段を駆け下りたら入り口のそばで何かを待っている女がいた。顔はあの時から変わっていない童顔のままだ、ただ一つ体は年相応だったが。

 何となく互いの目があった様な気がした。男が話しかけようかどうかしどろもどろしている内に父親と思われる車が迎えに来てそのまま帰ってしまっていた。

 男は一人力なく自転車を漕ぎながら帰路につく。


***


「チャンスを棒にふるのは慣れてるんでね…、アイツに感謝しなきゃな…」


 男は長く付き合いのある友達の事を浮かべながらそう言い放つ。


***


 それから半年位たった頃、互いの進路が決まり長く付き合いのある友人の家に泊まっていた時の事だった。互いのこれからの事を話終えた時友人がふと訪ねる。


「お前、彼女とか作らないのか?」


 痛い言葉である。年齢=彼女がいない男にとってこの質問は痛い、もう一度言う「痛い」、そしてかなり痛い。色々な言い訳を考えていた男だったが思い切って聞く事にした。この友人は自身の好きな女と一緒の学校である。

色々と相談してみる事にした。今の言葉で言うと「フラグ」と呼ばれるものだろうか。若干照れている所をからかわれながらも友人は以外な事を口にする。


「その子のアドレスなら俺知ってるぞ?馬鹿な奴だ何でもっと早く聞かない。仕方ねぇ聞いてやるか…」


 あっさりと返事が来て男は何の苦労もなく連絡手段を得た、事が簡単に進みすぎた為、ポカーンとしている男に友人は簡単に手ほどきをしてやっていた。男の反応を見て楽しんでいた友人にこれでもかという位の賛辞を送る。


***


「いやぁ~あの時は簡単に行き過ぎて拍子抜けしちまったぜ…、でも、問題はこれからなんだよな…」


 そう言い終えると男は溜息を軽く着いた。

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