直ぐムキになる子(仮題)
季節も冬になり、校庭には雪が降り積もっていく少しばかり知恵をつけてきたのか、クラス一丸となってまがいなりにも基地のような何かを作っては遊んでいた。
くしくも男の子が用事を済ませ外にでる準備をしていた時の事だった。友達の一人が残念そうな顔を浮かべて教室へと帰ってきていた、話によると一つ上の学年に遊んでいた場所を占拠されたらしい。別の場所でまた一から作り直しているらしいとの事だが、それを聞いた男の子は飛ぶように教室を後にした―――。
男の子は少し後悔していた。啖呵をきったもののこの優に1クラスに近い人数を相手に一人とは流石に尻込みする。クラスのリーダーと思しき人物が近寄り男の子に問いかける。
「何で俺達の基地を壊している?」
俺達の基地?ふざけるな、元々ここは自分達が苦労して作りあげたものだ出ていくのはそちらのほうではないか、勝手に占拠して何を言っている。
男の子は反論するが一つ上の学年の子らは耳を貸さない。その内、新しく作った遊び場がバレて襲撃されてしまう。男の子は何人かに取り押さえられ新しい遊び場を壊されてしまう。
結局遊び場を取り返す事も出来ず、小さなプライドも壊され、何一つ取り返せなかった挙句新しい遊び場を壊されその日はずっと教室内でずっとふてくされていた。あの女の子を含めクラスの友達がありがとうと言っていたが男の子の耳には入らなかった。
***
「もうちっと強けりゃ戦えたのかもしれないが、いかんせん一人だったからな…。でも今は後悔してないぜ?次行くか?」
男はそう言うと別の空間に目を向ける、すると今度は中学生位の男子が男を待っていた。