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想武伝  作者: 伊藤 陽己
プロローグ
1/15

はじまりの始まり

ども、再び伊藤です。

前回の想武伝とは変わっていますが、元は同じです。

どうか、温かく読んでください。

―時空の狭間に落ちた時、道が繋がる―

          ―大切なモノを守りたければ強くあれ―



「おはよ~、那津。今日も可愛いネ。」


「ちょっと!急に抱きついてこないでっていつも言ってるでしょ!」


いつものようにふざけ合って笑う日々が一瞬で壊れてしまうなど、誰が思うのだろうか?




平成**年4月*日



九条那津は(一応)親友の信塚琴羽と、ひらひら散る桜の並木道を歩いていた。


「それにしてもナっちゃん、災難だね~。っていうか人災? 高校に入ってもサンタと一緒で。しかも先生の一言が

 『男は強くなければ女を守れん。だから九条那津の事が、好きな男は九条那津と俺に勝ってから、九条那津に告白せよ』だもんね~」


琴羽ことコンは面白がる・呆れるような顔で、山本先生ことサンタの真似を熱演した。


「本っ当にサンタは人災でしかないよ...その一言でどれだけ苦労している」


「九条さ~ん、俺と決闘してください!!」


遠くからたくさんの男子達が地鳴りを響かせ、那津がすべてを言う前に叫んでこちらに来た。

那津はイラッとしながらも剣道で使う竹刀を取り出し、高らかに言った。


「遠慮はいらないですから。貴方達の想いはどんなものか見せてください。」



―数分後―


「ふんっ。あんなに真剣だったから骨ありそうだったのに、結局こんなものかぁ。」


琴羽は哀れむような表情で言った。


「勝てるわけないよ...ナっちゃんは全国女子剣道大会に出場してるんだから。」


那津の家は剣道道場で三代にも続く列記とした道場だ。そして那津はそれを誇りに思っている。


「でもコンも負けないと思うよ。」


「フフフ...。本当にあの時はネ。お陰でやる気がでましたとも。それにナっちゃんに惚れ直したヨ~。」


琴羽が熱の籠った目で色っぽく笑った。でも那津はスパンと一刀両断した。


「ごめん、私そんな趣味ないから。それにアリでもコンの家の人が許してくれないんじゃない?家の人が認めた相手じゃないと。」


琴羽の家は日本文化重視の家の家元だ。

故に変な琴羽にも、茶道・歌道・花道・生け花・舞踊という和という和を叩き込ませている。

武道も和に入っているため、完璧にこなしている。

偶然、近所に道場を那津の家があったため、琴羽は小さい頃に九条道場の弟子となった。


―コタエヨ―


那津と琴羽がじゃれあっている時、ふと那津の頭に声が響いた。

那津は声の主を探すため、周りを見渡した。

しかし、どこにも姿は無かった。


サァ...


急に桜吹雪が舞った。

那津が視線を前に戻せば、周りの桜よりも咲き誇っている桜の木が目に留まった。

そして、その木の陰には...


―着物のような服を着た男がいた―


―来い―


その男の口が動けば、那津の頭にダイレクトに声が響く。

那津は男に釘付けになった。

異質な雰囲気を醸し出しているのに、神聖と感じさせる。


(何なの、この男?琴羽は...琴羽は気づかないの?)


那津が琴羽に目をやれば、琴羽は笑いながら話している。

そしてもう一度、男がいた場所に目を移せばそこにはもう。


―男はいなかった。


どうでしたでしょうか?

意見や感想など、お教えください。

皆様のご感想、お待ちしています。

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