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悪魔の誘惑
主人公のアントワーヌは椎間板ヘルニアを患っており、ナポレオンとともに戦う勇者であったが、とうとう立てなくなるほどの激痛に見舞われる!
通りかかったクロエに救われるが、それが地獄への片道切符であった……。
アントワーヌはナポレオンに忠誠を誓い、フランスの平和のために国旗が名の下、力の限り戦った。
陣を組み、士官がぜんたーい、すすめー! の声を上げ、アントワーヌも仲間とともに前進しようと右足を上げ行進するところ……。
ぐっきり!
妙な音が一瞬、静寂を生み出し、仲間たちはアントワーヌに注目した。
「あが……が……うっうっ」
アントワーヌは腰をおさえ、涙ながらに痛みを訴える余裕すらなかった。
隊長は顔をしかめて、お前はひっこでいろだの、愚痴愚痴と文句をたれる。
アントワーヌはすごすごと対の最後列へ引きずられ、仲間の戦闘をぼんやりと見ていることしかできなかった……。